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モーツァルト名曲集
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モーツァルト『ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364』
ワルター・バリリ
Sinfonia concertante in Es-Dur, KV364
https://www.youtube.com/watch?v=vA1jG-fWPu0
https://www.youtube.com/watch?v=aG9OLK7bzrA
https://www.youtube.com/watch?v=YNyrHMoBHBM
Walter Barylli、Paul Doktor
Wiener Staatsopernorchester
Felix Prohaska
W バリリ & P ドクトル モーツァルト『協奏交響曲 変ホ長調 K 364』(1951)
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オイストラフ
Mozart: Sinfonia Concertante in E-flat, K. 364 - Igor Oistrakh, David Oistrakh, Kirill Kondrashin
Igor Davidovich Oistrakh (1931-2021), Violin
David Fyodorovich Oistrakh (1908-1974), Viola
Kirill Petrovich Kondrashin (1914-1981), Conductor
The Moscow Philharmonic Orchestra
Recorded 27th September of 1963, in Decca Studio No. 3, West Hampstead, London, England, Great Britain.
MOZART - Sinfonia Concertante, E-flat major, K. 364 ~ Igor & David Oistrakh, Kyril Kondrashin (1959)
Igor Oistrakh - violino
David Oistrakh - viola
Moscow Philharmonic
Kyril Kondrashin
Kingsway Hall, Londres, 1959
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五嶋みどり, 今井 信子
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 K.364 五嶋みどり, 今井 信子, エッシェンバッハ
五嶋 みどり(ヴァイオリン)Midori, Violin 28 Sep, 2 Oct.2000
今井 信子(ヴィオラ)Nobuko Imai, Viola
クリストフ・エッシェンバッハ指揮 北ドイツ放送交響楽団
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パールマン、ズッカーマン
Mozart: Sinfonia Concertante in E-Flat Major, K. 364 (Live)
https://www.youtube.com/watch?v=ouO0mfzd0NY&list=PL5zxKiGYZGUAux7KsgJlm7f_wW_1shvmF
https://www.youtube.com/watch?v=5VsO9Ce-7_I&list=PL5zxKiGYZGUAux7KsgJlm7f_wW_1shvmF&index=2
https://www.youtube.com/watch?v=ML4Xw4FK_HY&list=PL5zxKiGYZGUAux7KsgJlm7f_wW_1shvmF&index=4
Itzhak Perlman
Pinchas Zukerman
Israel Philharmonic Orchestra
Zubin Mehta
℗ 1983 Deutsche Grammophon GmbH, Berlin
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カザルス
Mozart: Sinfonia Concertante (K. 364), Casals (1951)
Isaac Stern (1920-2001), Violin
William Primrose (1904-1982), Viola
Pablo Casals (1876-1973), Conductor
Perpignan Festival Orchestra
Rec. 5, 7-8 July 1951, in Perpignan
Mozart Sinfonia Concertante in E flat Major, K 364 Joseph Fuchs,Lillian Fuchs,Pablo Casals
Karl Bohm Mozart - Sinfonia Concertante K.364 (1964) BPO
Thomas Brandis, violin
Giusto Cappone, viola
Karl Böhm
Berlin Philharmonic Orchestra
December, 1964
W. A. Mozart - Sinfonia concertante in mi bemolle maggiore per violino, viola e orchestra, K 364
Anne-Sophie Mutter, violin
Bruno Giuranna, viola
Academy of Saint Martin in the Fields
Sir Neville Marriner, conductor
1991 Original sound recording made by EMI Records Ltd
- W バリリ & P ドクトル モーツァルト『協奏交響曲 変ホ長調 K 364』(1951)
https://www.youtube.com/watch?v=sij72DBAflY&t=80s
https://www.youtube.com/watch?v=sij72DBAflY
https://www.youtube.com/watch?v=vA1jG-fWPu0
Walter Barylli
Wiener Staatsopernorchester
Felix Prohaska
Paul Doktor
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オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
カール・ベーム K 297b MOZART E-flat Major, Karl Böhm オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 変ホ長調 1968
トマス・ブランディス (ヴァイオリン)
ジュスト・カッポーネ (ヴィオラ)
カール・シュタインス (オーボエ)
カール・ライスター (クラリネット)
ゲルト・ザイフェルト (ホルン)
ギュンター・ピースク (ファゴット)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮 カール・ベーム
1966年初回プレスレコードです。
℗ 1968 09
MOZART - Symphonies Concertantes K.297b & K.364 ~ Wiener & Berliner Philharmoniker, Karl Böhm
00:00 - Sinfonia Concertante for Oboe, Clarinet, Horn, Bassoon, And Orchestra In E Flat Major K.297b
Bassoon – Günther Piesk
Oboe – Kari Steins
Wiener Philharmoniker
Karl Böhm
31:42 - Sinfonia Concertante for Violin, Viola and Orchestra In E Flat Major K.364
Orchestra – Berliner Philharmoniker
Thomas Brandis, Violin
Giusto Cappone, Viola
Berliner Philharmoniker
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オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b (K.Anh.C14.01) は、かつてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したと考えられていた協奏交響曲である。本項では散逸したモーツァルトの作品であるフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 K.297Bについても言及する。
パリ到着間もないモーツァルトが、1778年の4月にちょうどパリに居合わせた4人の名管楽器奏者、フルートのウェンドリング、オーボエのラム、ファゴットのリッター、ホルンのプントのための1曲の協奏交響曲を作曲し、コンセール・スピリチュエル(1725年以来テュイルリー宮殿で行われていた音楽会)で演奏させるために、総監督のジャン・ル・グロに自筆譜を売り渡し、演奏会に使う写譜の作成の際に、何らかの邪魔が入り、結局演奏されなかったということである。
ここまでの経緯は、モーツァルトから父のレオポルト・モーツァルトに宛てた1778年5月1日の手紙に次のように記されている。
ところが協奏交響曲についてもひと悶着がありました。ぼくはこれは何か邪魔するものがあるんだと思っています。(中略)ル・グロはそれの写譜に四日の余裕がありました。ところが、それがいつ見ても同じ場所にあります。おとといになって、それが見あたりません。でも楽譜類の間を探してみると、それが隠してありました。何気ない顔をして、ル・グロに「ところで協奏交響曲は写譜に出しましたか?」と尋ねると、「いや、忘れていた」と言います。もちろんぼくはル・グロに、それを写譜することも写譜に出すことも命令するわけにいかないので、黙っていました。二日たって、それが演奏されるはずの日にコンセールへ行くと、ラムとプントが顔を真赤になってぼくのところへやって来て、なぜぼくの協奏交響曲がやられないのか? ときくのです。―「それは知らない。そんなこと、初耳です。私は全然知りません」(中略)この事で、いちばんいやな気がしたのは、ル・グロがぼくにこれについてひと言も言わず、ぼくだけが何も知らされなかったことです。あの人が、時間が足りなかったとか、なんとか言って、ひと言あやまってくれたらよかったのに、まったく何も言わないのです。— 柴田 1980、147-148頁
この手紙を見ればわかるように、モーツァルトはル・グロの不誠実な態度に不快感を示し、陰謀ではないかと疑っている。マルティーニやタルティーニの弟子で当時の流行作曲家だったジュゼッペ・カンビーニの妨害ではないかと考えていたようで、1778年5月1日の父に宛てたモーツァルトの手紙には以下のように記されている。
実は、ぼくがル・グロのところで初めてこの人に会った時、何も知らずにしたとは言え、ひどい目に会わせたのです。この人は四重奏を作っていました。その一つをぼくはマンハイムで聴いたことがあります。けっこう綺麗なものです。ぼくはこの人に、あれはいい曲だと言ってほめ、始めの方を弾いて聴かせました。ところが、そこにリッターとラムとプントがいて、ぼくをいつまでも止めさせず、どこまでも弾かせるのです。知らないところは自分で作ってつづければいい、と言うのです。ぼくはそのとおりにしてやりました。そこで、カンビーニはすっかり度を失ってしまい、思わず「こいつはすごい頭だ!」などと言ってしまいました。こんなことであの人はきっと、いい気持はしなかったと思います。— 柴田 1980、149頁
だが、カンビーニはモーツァルトを高く評価しており、彼の作品を筆写していることや、本人が明確に否定していることなどからも、演奏不能に陥った一件が彼の妨害である可能性は高くない。当時のパリには多数の有力な音楽家が住んでおり、互いにしのぎを削っていたのであるから、パリの作曲家の誰かがモーツァルトに得意分野での名声を奪われることを恐れて陰謀を企てたというのは可能性が高いと考えてよいだろう[1]。本作の楽譜は2014年現在も作品は発見されておらず、ケッヘルによる1862年出版の「モーツァルト作品主題目録」初版では消失作品とされた。
この作品の作曲後に、モーツァルトはフルートとハープのための協奏曲の作曲に着手している[2]。また、コンセールで演奏させるため、ル・グロの注文で交響曲第31番『パリ』も作曲された。
筆写譜の発見
20世紀初頭になってドイツの音楽学者オットー・ヤーン(1813年 – 1869年)の遺品の中から、それまで知られていなかったオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲の筆写譜が発見された。ヤーンによる伝記『W.A.モーツァルト』の校訂者であったヘルマン・ダイタースは1904年の改訂出版の際、「この筆写譜は消失したフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲の編曲譜である」という説を発表した。この説が支持された根拠は、モーツァルトが10月3日の父に宛てた手紙で、
ル・グロ氏は、それを独占しているつもりですが、そうは参りません。ぼくは頭の中にまだ生き生きと入れてありますから、家へ帰ったら、さっそくもう一度書き上げます— 柴田 1980、195頁
と記しているからである。
この説は広く受け入れられ、1905年のケッヘル第2版ではこの筆写譜をオリジナルの真正の編曲とみなして「付録」を示す「Anh.9」の番号を付し、さらに音楽学者のアインシュタインが改訂した1937年の第3版では「K.297b」という番号を与えて作品目録の「本編」に組み入れた。しかしこの説では散逸したフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲に関する史料と比較検討した際に、なぜソロ編成がフルートからクラリネットに変更されたのかという疑問への説明がついていない。また、本作はすべての楽章が同じ変ホ長調で書かれているという重要な疑問点があり、筆写譜や伝記的状況、クラリネットなどの用法を詳細に検討した結果、偽作の可能性が非常に強いという判断を下し、1964年のケッヘル第6版では、「疑作、偽作」を示す「Anh.C14.01」という番号を与えた。そしてオリジナルが消息不明のままフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲はK.297Bとしてその存在だけが本編に組み入れられた。本作をモーツァルトの真作と見る研究者もいるが決定的な証拠が欠けているため、散逸したフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲の自筆稿の発見でもない限り、真偽の決定が困難な状況である。
「……しかし作品の由来はなお曖昧であるとはいえ、我々が所有している版の真憑性に対して早まった疑問を投げかけることは、間違っていないだろうか。なぜなら、作品のどの部分にも――編曲版のどの部分にもというわけではないにしても――モーツァルトの手が明瞭に認められるからである」— 音楽之友社 1983、318頁
という見解を示している。
楽器編成と詳細
18世紀末にパリ楽壇を風靡した特殊なジャンル「協奏交響曲」の典型的なスタイルを示している。また、独奏楽器の用法に卓越した筆致を示しており、こうした点が本作のモーツァルト真筆説の論拠となっている。一方で、前節において示しているように、全楽章が変ホ長調で書かれている点やクラリネットなどの用法を詳細に検討した結果において、本作はモーツァルトの作品とは言いがたいと判断されている。
- 楽器編成:オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットは独奏。伴奏楽器は、オーボエ2、ホルン2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、バス
- 演奏時間はおよそ30分。
- 作曲時期:不明。
- 自筆譜:なし。発見された第三者(オットー・ヤーンの筆跡ではない)による楽譜はベルリン国立図書館蔵。
- 構成:3楽章構成。
第1楽章
弦楽器のユニゾンで演奏される特徴的なリズムをもった第1主題は導入的性格のもの。主題としての機能は続けて演奏される。
第2楽章
第3楽章
アンダンティーノ・コン・ヴァリッツィオーネ 変ホ長調 4分の2拍子
主題と10の変奏による。主題は24小節からなるシャンソン風のもの。16小節までは弦のピッツィカートを伴奏に、他の独奏楽器を従えたオーボエが奏し、17小節以下は管弦楽だけによる終結句となっている。終結句は常に管弦楽だけで、しかも余り大きく変奏されないので、ルフランのような役割を果たしている。10の変奏は独奏者の技巧を引き出すべく、様々な音型や楽器の組み合わせで巧妙に書かれている。第10変奏がテンポをアダージョに落とした後、8分の6拍子、アレグロと転じ、全曲が華やかに閉じられる。
ロバート・レヴィンとダニエル・リースンによる新説と復元稿
1974年にアメリカのピアニストで音楽学者のロバート・レヴィンと音楽学者のダニエル・リースンが「統計的・構造的・方法学」という方法で、コンピューターによってオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲を解析したところ、この作品がモーツァルトの真筆であるという結論を出した。しかし、管弦楽法にモーツァルトらしからぬ点が多く、ソロ・パートのみが後世に伝わり第三者がオーケストラ・パートを加筆したと鑑定した。さらに、統計的・構造的・方法学によって、本来あるべきオーケストラ・パートを復元、ソロ・パートもフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットに復元した稿を作成した。手法の是非はともかく、この復元稿を用いた録音や演奏会も増えつつある。
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週一度の図書館通いでたまたま目に触れて借りてきたのが「宮本文昭の名曲斬り込み隊」。

「宮本文昭」さんといえば著名なオーボエ奏者だが、世に名曲の解説本は多いものの、実際に演奏する立場からの視点による解説本は意外と少ないのが実状。
また、オーボエという楽器は管楽器全体を引っ張っていく存在だから、そういう視点からのアプローチも面白そうなので読み始めたところ、つい引き込まれて一気読みしてしまった。
本書で取り上げてある名曲は以下の8曲。
1 モーツァルト「ディヴェルティメントK.136」
2 「協奏交響曲K.364」
6 リムスキー・コルサコフ「シェラザード」
8 ブルックナー「交響曲第8番」
いずれも比較的ポピュラーな曲ばかりだがいくつかピックアップしてみた。
1のK・136はオペラなどの大曲を除くとモーツァルトの中で一番好きだと言ってもいいくらいの曲。トン・コープマン指揮の演奏がダントツにいいが、本書でもコープマンのCDが紹介してあった。
この曲では特に第二楽章が好みだが「悲しいというのではないんだけど晴れやかでもない、そこはかとない哀しみが漂う、これまた名曲です。」(本書35頁)と、あるがたしかにそう思う。
「モーツァルトの哀しみとは何ですか?」と問われて、それを言葉で表現しようなんてとても無理な相談だが「それはK・136の第二楽章を聴けば分かりますよ」というのが、まっとうな解答というものだろう。
言い換えると、この曲を聴いてもし感銘を受けなかったら、その人はモーツァルトと縁がないとあきらめてもらうしかない(笑)。
ケッヘル番号が136と非常に若いが、わずか16歳のときの作品だというからやはりミューズの神が与えた天賦の才には、ただひたすら頭(こうべ)を垂れるほかない。
2は正式には「ヴァイオリン、ヴィオラと管弦楽のための協奏交響曲」(K・364)というが、これまた大好きな曲で、宮本さんとはとても波長が合う。いろんな演奏者を聴いてみたが、最後は五嶋みどり(ヴィオリン)さんと今井信子(ヴィオラ)さんのコンビに落ち着く。

取り分け第二楽章については「深い憂愁につつまれた楽章だ。23歳のアマデウス先生が希望に胸を膨らませて向かったパリで失意を味わい、”もののあわれ”を知ってしまったのだろうか。モーツァルトが全作品の中でもめったに見せたことのない、ほとんどロマン派と見まごうばかりの彼のプライベートでセンチメンタルな一面が垣間見れる。」(本書210頁)
ヴァイオリンとヴィオラの優雅な絡み合いの何とも言えない美しさに不覚にも目頭が熱くなってしまう。この辺の微妙な表現力となると「AXIOM80」の独壇場で魅力全開である。
五嶋さんも今井さんも楽器は「グァルネリ」だというが、日頃よく耳にするストラディヴァリよりも美しく聴こえるので、(AXIOM80とは)相性がいいのかな~。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5c77dc8aeb50c37cf192c50462575dcb
陽の当たることが少ない楽器「ヴィオラ」 - 音楽&オーディオの小部屋
https://jbltakashi.hatenablog.com/entry/2013/05/19/034528
数日前のブログに掲載したように、ピアノソナタ8番(モーツァルト)を6名の演奏者ごとに集中的に聴いてみたところ、改めて相性の良さを痛感して、このところ聴いているのはもっぱらモーツァルトばかり。
振り返ってみると、40年来、彼の音楽を愛好してきたが、どんな名曲でもしょっちゅう聴いていると倦んでくるのは否めない。したがって、周期的に彼の音楽に疎遠になったり、密着したりを繰り返してきたが、現在は熱愛中といったところ。
どうか、このまま当分、冷めないでほしい(笑)。
さて、ピアノ・ソナタをひと通り聴き終わると、次は弦楽器系に移ってヴァイオリン協奏曲(1番~5番)をじっくりと聴き、そして比類なき名曲とされている「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」(K.364)に行き着いた。
解説を「名盤鑑定百科~モーツァルト編~」(吉井亜彦)から引用させてもらおう。(抜粋)
「この作品は永遠の生命を得た傑作として愛聴され続けてきている。独奏ヴァイオリンとヴィオラのためにかかれているが、この両独奏楽器のどちらかが主とか従になることなく整然としたバランスのもとに固有の持ち味がいかんなく発揮されている。
全体の構成も実にしっかりしている。三つの楽章がいずれも他にもたれかかることなく自立していて、それぞれがたいへん魅力的。その上で全体は何気ないひと息のような自然な流動感を保っている。水も漏らさぬ緻密な構成力といっていいだろう。書法も目を見張るばかりの充実ぶり。
独奏楽器とオーケストラとの協調も少しも力まずになされており、これ以外は考えられないほどである。転調の手法も効果満点。このように鮮やかに駆使できるのはモーツァルトの独壇場で、彼に匹敵できるのはシューベルトがいるだけだろう。
この曲が作られたのはモーツァルト23歳のとき。我が国の基準でいうなら大学を出たばかりの若者が、このような驚くべき傑作をかくとは~。」
以上、手放しの絶賛ぶりだが掛け値なしにそう思う。
この曲目は現在、「五嶋みどり&今井信子」と「パールマン&ズーカーマン」の二つの盤を持っている。後者は3か月ほど前に購入した「モーツァルト全集」(55枚組)のうちの1枚。

いずれ劣らぬ名演だと思うが、あえてどちらかと問われれば「五嶋みどりコンビ」を採る。
比較的ゆったりとしたテンポのうちに張り詰めた緊張感とモーツァルトらしい伸びやかさがほどよく調和して気持ちがいい。「(録音を振り返って)これほど気持ちを浮き立たせてくれたセッションはこれまで数えるほどしかない」(五嶋みどり)というのも充分頷けるほど。
さらに、この曲の特徴として挙げられるのが、日頃から伴奏に徹して滅多に陽の当たることが少ない楽器「ヴィオラ」が活躍していること。
その辺はさすがにモーツァルトで、それなりの仕掛けをちゃんと講じている。
「ヴィオラに独奏楽器としての華やかさを持たせるために、スコルダツゥ-ラ(「調子はずれ」の意味)と呼ばれる調弦法を指定していて、弦の張りを強めて半音高く、変ホ長調(ヴィオラ・パートはもともとニ長調)に調弦するようにしている。これにより、ヴィオラが特別な輝きと良く通る響きをもたらしている。」(CDライナーノート)

ネットから画像を拾ってみたが、ヴァイオリン(左)よりも一回り大きいものの、チェロよりもぐっと小さく、何となく中途半端な大きさのヴィオラ。
基音(倍音を含まない楽器の音域)を見ても、チェロはおよそ80~900ヘルツ、ヴァイオリンはおよそ200~3000ヘルツ、そしてヴィオラはおよそ150ヘルツ~1500ヘルツだから、音域の上でも中途半端な存在を象徴している。
まるで、重厚で落ち着いた長男(チェロ)と華麗・優美でやんちゃな弟(ヴァイオリン)に挟まれて、自らの個性を発揮できず悶々としている次男みたいな印象を受ける。
その可哀想なヴィオラが珍しく独奏楽器としてヴァイオリンに伍して生き生きと躍動しているのが「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」というわけである。
ヴィオラの魅力に溢れたこの曲を、まだ聴いたことがない方は是非ご一聴をお薦めしたい。