777 政治 関係投稿集
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14038315
777 経済 関係投稿集
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037314
▲△▽▼
▲△▽▼
高市氏、連立崩壊、始まったトリプル安/円安153円、長期金利は1.7%寸前、株価下落もスタート/自公連立の解消、裏金が引き金(金子勝❎尾形聡彦)【10/11(土) 19:15~ ライブ】
高市総裁、裏金・派閥に逆戻り/高市氏の勝利と極右化の時代を読む/立民「玉木総理」の牽制球/斎藤知事の空虚 (内田樹❎尾形聡彦)【10/8(水) 16:45~ ライブ】
宇山卓栄★迫る総裁選!自民党の何が腐っているのか!? 国会議員よりも⚫︎⚫︎が大問題!知られざる自民党組織論!
和の国チャンネル 2025/09/20
自民党はトップをすげ替えたところで何も変わらないだろう。自民党地方支部の内部事情に精通する、宇山卓栄の政党組織論!
小泉氏、「解雇規制見直し」取り下げ/自民党総裁選、政策を徹底解説/小泉氏、林氏、小林氏、尾形が直撃で分かったこと/トランプ米国の極右化 (金子勝❎尾形聡彦)【9/20(土) 19:15~ ライブ】
財政政策運営で重要なことは貴重な財源を何にどう使うのかである。
日本財政の最大の特徴は利権補助金が大きすぎること。
官僚機構にとっては天下り等の利権キックバックの原動力になる。
民間の事業者がロケット事業を手がけるときに、なぜ国民が補助金での負担をする必要があるのか。
正当な根拠はない。
経済活動は自己責任をベースに行われるべきとの主張がなされる。
新自由主義を主張する勢力は常にこのような言説を発している。
その当事者が政府から補助金を受け取ることが大きな矛盾。
民間事業者が半導体工場を建設するのに、なぜ国民が兆円単位の補助金を負担する必要があるのか。
自動車会社がリチウムイオン電池を開発するのに、なぜ国民が数千億円の補助金を負担する必要があるのか。
補助金を受領する企業の関係者が「政府から補助金をもらうために政府にすり寄る発言をするのか」と聞かれて、政権が代わっても補助金はもらえる」とうそぶいているという。
完全な間違い。
見識ある政権が創設されれば利権補助金を廃止することになる。
正しい財政政策を運営できる新しい政権を樹立することが求められているだけだ。
世界の競争に負けないために政府が補助金を投下する必要がある。
この理屈で巨大な資金が補助金として投下されてきた。
その結果、日本企業が世界に冠たる地位を確保できたのか。
否である。
政府が主導して巨大な財政資金を投下してきた半導体企業がどうなっているか。
政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が約1390億円を投融資していた有機ELパネル製造会社「JOLED」は2023年3月に破綻。
同じく官民ファンドのINJCは、前身の産業革新機構の時代から7回、4620億円を投下してきた中小型液晶パネルメーカーのジャパンディスプレイ(JDI)の全株式を売却。
金融収益を含めて回収できたのは3073億円で1547億円の損失が確定した。
「日の丸半導体」を旗印にしたエルピーダメモリは2012年に破綻して政府保証の約280億円が消滅した。
また、台湾の半導体企業であるTSMCが熊本に工場を建設することに対して日本政府が1.2兆円の補助金を投下。
なぜ台湾企業の工場建設に日本国民が1.2兆円もの資金を提供する必要があるのか。
政府が利権補助金を提供して利権政党が献金をキックバックされ、官僚が天下りや社外取締役などの利益を供与される。
結局、国民の税金を使って利権政治家と官僚が私腹を肥やしているだけなのだ。
拙著『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)
https://x.gd/nvmU9
に日本財政の根本問題を詳述した。
「反ジャーナリスト」として精力的な活動を続ける高橋清隆氏が拙著の書評を公開くださった。
「旧大蔵省に勤務経験のある植草氏が、政治経済学者の視点から財務省の真の姿を告発した新刊書。にわかに「財務省前デモ」が関心を集める中、過去40年にわたる同省の悪行と欺瞞(ぎまん)が白日の下にさらされている。」
「消費税が所得税と法人税の穴埋めに使われていることは知られるようになった。正確には35年間に消費税で509兆円税収を得たのに、605兆円も減税している。「つまり、一般庶民から500兆円をむしり取り、そこに100兆円足して600兆円の減税を富裕層と大企業に施していた」。そして、掛け声と裏腹に、「消費税の税収は、1円たりとも財政再建や社会保障の拡充には使われてこなかった」のが実態である。」
「国会審議を通じて注目を集めるのが当初予算だが、政策支出に当たる部分は年間約23兆円。一方、補正予算はこの4年間で合計154兆円も計上されている。1年平均39兆円で、財源は全額国債の発行で賄われている。2025年度の予算審議で野党が高額療養費制度の「改悪」をやめるべきだと主張すると、テレビ朝日の大越健介氏が「制度改変凍結を唱えるのであれば財源を明示せよ」と批判した。この「改悪」による社会保険料負担軽減効果は60億円程度にすぎないのに、154兆円分の国債発行はどのメディアも問題にしない。
植草氏はこれを家計に例え、「毎月の家族全員の衣食住を賄うために月23万円でやりくりしているのに、配偶者は連日連夜飲み食いに明け暮れ、ギャンブルにうつつを抜かし、月39万円も放蕩三昧(ほうとうざんまい)している姿。家族が病に倒れても病院に行くことを許しません」とやゆしている。」
詳しくは高橋氏のサイトでご高読を賜りたい。
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著が公刊されました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』
(ビジネス社)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/07/post-822c6e.html
▲△▽▼
生放送!『史上最大の売国!石破総理 参院選後の政治はどうなる?』ゲスト:著作家 宇山卓栄氏
【桜内文城】財政金融研究所 2025/07/27
世界は極右ファシストが貧困層から支持される「フェイクファシズム」の時代に入った - 777ブログ
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/07/12/015825
増田俊男 _ トランプ関税自業自得、トランプをピエロとして操る勢力とは - 777ブログ
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/07/08/002444
れいわ新選組 _ 主権なき安全保障は空論、「フェイク保守」の欺瞞も指摘 - 777ブログ
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/07/17/052016
▲△▽▼
【参政党】 自民も立憲も乗れない“反グローバリズム” が日本上陸!日本人ファースト旋風の衝撃
SAMEJIMA TIMES 2025/07/14
福井義高(青山学院大学教授)大量移民は国を亡ぼす!
新日本文化チャンネル桜 2025/07/08
▲△▽▼
「ニュース解説ショート動画 7月15日発売『フェイクファシズム』 著者の金子勝慶大名誉教授が語る」
日刊ゲンダイ 2025/07/14
「金子勝慶大名誉教授の著書『フェイクファシズム』が7月15日に発売。SNSの短文投稿やショート動画で大量のフェイク情報を流して大衆を扇動するトランプ大統領。同じような手法は既に日本でも取られている。兵庫県知事選や財務省解体デモがそれだ。気鋭の経済学者が世界秩序の大転換を予言する」
「フェイクファシズム」【金子勝】2025年7月11日(金)【紳士交遊録】
フェイクファシズム 飲み込まれていく日本 – 2025/7/15
金子 勝 (著)
https://amzn.asia/d/ePHN8eG
経済学者・金子勝が緊急提言!
「いま、まさに50年、100年周期の大転換が来ている」
かつてヒトラーとゲッベルスは巧みなアジテーションで人々を洗脳したが、現代では人々の関心をSNSで操作する「フェイクファシズム」が台頭。
「山ほど嘘をついて陰謀論を振りまき、敵を作る」というトランプ政治の常套手段は「フェイクファシズム」そのもの。XやFacebookなどの各種SNSはファクトチェックを蔑ろにし、巨大IT産業が暴政に加担している。
「ザイム真理教」「兵庫県知事選挙」「石丸ブーム」……。翻って日本でもSNSを駆使しての大衆扇動が拡大しているが、これはトランプ政治の輸入ではない。
トランプ大統領の元側近スティーブンバノン氏が「安倍晋三はトランプ以前のトランプ(Trump before Trump)」と表現したように、安倍政策を下敷きに米国で発展したトランプ的手法を「逆輸入」したものなのだ。
これから続くフェイクファシズムの時代に、日本はどんな未来を描けばよいのか――。
アベノミクスの完全な失敗を認め、総括せよ!
第1章 トランプは世界をどう変えるのかー分断とフェイクファシズムを乗り越えてカタストロフの時代を生きるには
第2章 アベノミクスをどう終わらせるかー政治腐敗、経済破綻、フェイクの嵐を解毒する処方箋
第3章 マイナ保険証の失敗の本質ー世界に後れを取るIT産業への真の救済策とは
第4章 エネルギー転換はなぜ必要かー間違いだらけの原発政策の呪縛を解く
第5章 崩壊する農業と農村を立て直す道ー食料・農業・農村基本法の見直しは「農村破壊法」だ
日本を創りかえるための基礎政策教室が、いま開講!
「現実に絶望を感じている方々も、読んでいただければ、絶望から希望は生まれてくるのだということに気づくはずです」(本書より)
アベノミクスを徹底総括せよ!失敗を認め困難から逃げるな【金子勝の言いたい放題】20250106
新年から緩んだ政治に喝を入れる金子勝さん。年頭第一回は、インフレが定着しているのに、デフレ対策を維持し、日銀でさえ国債の買い入れは半額にする方針を決めたのに、まだ漫然と国債発行に頼った予算を組み政策を掲げる矛盾と無責任をキビシク指摘します。すべては、まず、アベノミクスが失敗であったことを総括するところから。誰もアベノミクスの失敗の責任を取らないなか、日本は方針がブレブレのまま漂っています。国債依存の減税ではなく、どこをターゲットにどう金をとり給付をするのか、面倒でワンフレーズにはなじまないことは重々承知で税制改革論議の必要を提起します。国が、今、金をかけるべきは、武器の買い増しなのか、教育や研究への投資なのか、そのために削るべき支出は何か、増やすべき予算は何か、税のとり方はどうしたらよいのか、じっくり考えてみませんか。まずは、現状認識から始めます。
【金子勝】「財務省陰謀論のカルト性」 - 777ブログ
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/06/20/042942
金子勝 _ 保守・右翼の経済評論家(伊藤貫、中野剛志、藤井聡、三橋貴明、髙橋洋一)は経済が全くわかっていない - 777ブログ
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/05/29/182319
▲△▽▼
アメリカは内戦に向かうのか/斎藤知事と成立しない問答/石破おろしと総裁選、自民の終焉/韓鶴子総裁、出頭の衝撃(内田樹✖️尾形聡彦)【9/17(水) 18:00~ ライブ】
#内田樹 さんに聞く! いよいよ世界は公益の否定に/参政・神谷代表発言の危険性/ロシア人無人機、ポーランド領空侵入&撃墜
望月いそことオッカ君チャンネル 2025/09/10
ポーランド領空へのロシアドーロンの侵入で、世界大戦への危機感が高まる中、石破首相が辞意を表明しました。国際情勢の緊迫と自民党総裁選の混乱をどう結びつけて考えるべきか。思想家・内田樹さんが、欧州の極右台頭や日本の参政党の躍進、公共性の解体、資本主義と戦争の関係まで縦横に語ります。国内外の政治の潮流を重ね合わせながら、#望月衣塑子 と「公共の崩壊」と「強さを求めるポピュリズム」の危うさを鋭く読み解きます。
【目次】
00:00 ロシアのドローン、ポーランド侵入の衝撃
03:00 石破首相辞任と総裁選混乱
07:00 欧州で広がる極右政党の躍進
10:30 日本政治と「公共」の崩壊
15:00 資本主義と公共性の対立構造
20:00 参政党の台頭と「日本人ファースト」論
25:00 強さを求めるポピュリズムの危うさ
30:00 陰謀論と純化思考の広がり
36:00 戦争と資本主義、兵器産業の論理
43:00 無人化する戦争と国際秩序の変容
48:00 自民党総裁選と没落のシナリオ
52:00 日本政治の分岐点と国際社会の危機
ウソと言いがかりを腑分けする 山崎雅弘さん 内田樹の談論風発19
アメリカや兵庫からひっきりなしに飛んでくる八百どころではないウソ。その飽和攻撃に疲れ果て、ともすれば呆然と立ち尽くしてしまいそうになりますが、謀略の歴史を踏まえ、その構造を分析してきたお二人のお話は、そんな私たちに冷静さと勇気を取り戻してくれます。併せて直近の石破政局も解説していただきました。
2025年9月9日 収録
内田樹【参政神谷氏は「自分ファースト」】3周年記念イベント、特別公開版/内田樹×藤永のぶよ×川中だいじ×尾形聡彦(アーカイブ販売は8/16まで)
Arc Times 2025/08/10
内田樹さんに聞く!/参政の躍進、神谷代表発言どうみる?/斎藤知事、立花孝志氏
2025/08/03
参政党の躍進、神谷宗幣代表の発言、兵庫県記者会見での圧力と女性記者への誹謗中傷──いま何が起きているのか?哲学者・内田樹さんが、選挙結果や政治的バックラッシュ、ミソジニーの深層、教育の劣化、大日本帝国の「供養」まで、縦横無尽に語ります。今後の政治を読み解くための必見対談!
【目次】
00:00:00 オープニングと選挙後の対談
00:01:13 参政党の躍進と内田樹の読み
00:06:08 「日本人ファースト」と神谷発言の矛盾
00:13:36 政治家に守備一貫性はいらない?ヤクザ的手法
00:21:05 兵庫県の女性記者への誹謗中傷と配置転換
00:29:41 ミソジニーと報道機関の責任
00:36:58 保守女性たちの支持と賛成党の女性像
00:44:47 選択的夫婦別姓と女性支援者の反応
00:52:23 記者排除と「ぶら下がり」拒否の実態
01:00:35 石破卸と麻生・高市・玉木の動き
01:08:44 韓国検察と統一教会への強制捜査
01:18:17 戦後80年・大日本帝国の供養の視点
01:26:39 「老い」と「死」とどう向き合うか
01:33:55 昭和の変化と13回忌の話
01:39:56 戦争の記憶と供養の大切さ
01:47:01 エンディングと書籍告知
参政党ら極右の台頭/オーガニックとファシズムの歴史/参院選 「排外」報じぬ大手メディア(内田樹×尾形聡彦)【7/10(木) 19:30~ プレミア配信】
▲△▽▼
▲△▽▼
内田樹さんに聞く!!/江藤前農相「政治家の傲慢}/小泉農相、米国いいなり/中韓留学生は「日本は天国」/コメ大臣・進次郎に思うこと
望月いそことオッカ君チャンネル 2025/05/25
【吉野敏明】なるほどね…小泉進次郎が農水大臣に就任した「裏の目的」に愕然・・・米価格を下げさせ次に…
2025年5月25日
【山崎行太郎チャンネル】小泉進次郎と飯山あかりの共通性。二人とも目つきが悪い???
森哲子事務所 2025/05/25
小泉進次郎氏から読み解く日本政治の腐敗~アメリカ支配への対抗策とは?:前編【農を語るシリーズ】(藤井聡✖️内田樹)
藤井聡チャンネル 『表現者クライテリオン』2024/09/14
能登半島は復興せず捨てるべき?~地方切り捨てを良しとする政治家の腐敗:後編【農を語るシリーズ】(藤井聡氏✖️内田樹氏)
藤井聡チャンネル『表現者クライテリオン』2024/09/15
内田樹の研究室
農を語る(前編)2024-12-16 lundi
http://blog.tatsuru.com/2024/12/16_1921.html
食料の自給自足は国の根幹である
藤井聡 今回は、神戸女学院大学名誉教授で武道家でもあられる内田樹先生にお越しいただきました。内田先生は文学や思想、社会科学などいろいろな側面から時勢的な問題について論じられていますが、以前この「農を語る」にもご登壇いただいた堤未果さんと食と農の問題について対談されていましたよね 。それを拝見したこともありまして、今回お越しいただいた次第です。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、内田先生は現在の「農」についてどのようにお考えでしょうか。
内田 僕への講演依頼で一番多いのは教育関係ですが、次に多いのが医療と農業です。JAさんをはじめいろいろな団体から声がかかっていて、あちこちで講演しています。演題として多いのは人口減少についてですね。今農村は急激な人口減少で、もはや過疎地を通り越して無住地化しつつあります。農村の現場の細かいことは研究者じゃないのでよく知らないのですが、大風呂敷を広げるのは得意なので、人口減少の文明史的な意味とは一体どういうものなのかという話をした上で、農業従事者の皆さん方はどう対処すべきかについて意見を申し上げます。僕からの提言は絶対に里山や農業を捨ててはいけないということです。
藤井 愚問かもしれませんが、絶対に捨ててはいけないとご主張される理由はどういったところにあるのでしょうか。
内田 農業は国の基本だからです。エネルギーと食料の自給自足は国の根幹です。これはどちらも足りなくなったからといって、いつでも必要な量だけ、必要な時に市場で調達できるというものではありません。そのことはコロナでよく分かったはずです。サプライチェーンが途絶したら、お金がいくらあったって欲しいものが買えなくなる。アメリカはマスクや防護服のようなものは途上国に作らせて輸入した方が安いという理由でほとんどをアウトソーシングしていたせいで、輸入が途絶えたとたんに医療崩壊が起きて多数の死者が出ました。マスクや防護服や検査キットのような、シンプルで安価な医療資源は、賃金の高いアメリカ国内で作る必要なんかない、在庫も要らない。「要る時に金を出せばいい」という「賢い」経営判断のせいで、たくさんの人が死んだ。「こんなものはいつでも買える」と思っていたものが買えなくなることがある。それについての想像力の不足が一番怖いんです。今の日本だって、いつ南海トラフ巨大地震が来るのか分からない。米中戦争だって起こるかもしれない。何が起きても国民を守ることが国の責務なんですから、エネルギーと食料と医療の自給自足はどんなことがあっても最優先で目指すべき最重要課題だと思います。
藤井 アメリカなどの先進国、G7諸国は食料自給率一〇〇%、二〇〇%を目指して輸出産業としても育てているのが一般的で、そのためにかなりの国費を投入して自給率を上げていますが、日本はそういう雰囲気になっていませんよね。カロリーベースの自給率はたったの三八%しかありませんし。
内田 東京大学の鈴木宣弘先生によると、実際には十%を切るそうです。
日本の食料自給率が下がればアメリカの国益になる
藤井 自給率を高めるには二つの方法があり、一つは補助金をしっかりと出して農業所得を保障してあげることです。いわば「公共事業」として、農家の人たちを公務員のような格好でお雇いするという考え方です。もう一つ、「関税」を高めて農業を保護するという伝統的な方法もあります。
この二つの方法が基本ですが、前者の補助金はどんどん少なくなっていますし、後者の関税もTPPをはじめとする自由化を通じて下げるのが善であるかのような風潮があります。これは本当に由々しき事態ですよね。
内田 日本の国益を考えたら、あらゆる手立てを尽くして農業を守り、自給率を上げるのが最も合理的な解です。でも、そうなっていない。ということは、日本の農業が政府の補助で維持され、日本の食料自給率が上がることを望まない「外圧」が存在するということになる。誰が考えても、それはアメリカ以外にない。アメリカが政官財のさまざまなチャンネルを通じて、今の日本の農業政策をコントロールしている。そう考えるのが合理的だと思います。
藤井 いわゆる「ジャパンハンドラー」と呼ばれる人たちがアメリカにいますよね。CSIS(戦略国際問題研究所)などはジャパンハンドラーたちの巣窟であり、小泉進次郎さんもそこで研究されていましたからね。彼は自民党の農林部会の部会長をやっていた時期があり、農協の株式会社化や農林中金の自由化などを主張されています。しかもそれが「改革」と呼ばれ、何か良いものであるかのように言われていますよね。
内田 自民党の総裁選に出ている政治家たち、立憲民主党の代表選に出ている政治家たちの話を聴いていると、明らかに日本国民ではなく、ホワイトハウスに向けてシグナルを送っているということが分かります。例えば、「在日米軍の既得権には決して手を付けません」というような公約は国内的には支持率の向上にはつながるはずがない。それでも必ず公約するのは、それがアメリカ向けのジェスチャーだからです。「私が日本の首相になっても、アメリカの国益に抵触するようなことは決してしません。だから承認してください」とアピールしている。
藤井 多くの政治家は口には出さないでしょうけれども、アメリカを怒らせたら政治家として続かないという恐怖心があるのでしょうね。
内田 それは遠く田中角栄から、鳩山由紀夫、小沢一郎の前例から明らかですからね。
藤井 総理大臣としての政治生命を絶たれてしまうという、控えめな表現をすれば「都市伝説」があるわけです。事実であればもっと有効性がありますが、仮に都市伝説だったとしてもそれだけで一定の効果がありますよね。
内田 アメリカが実際に手を出して政治生命を奪うということはしていないと思いますが、日本の政治家と官僚とメディアがアメリカの意を「忖度」して、アメリカの国益に資するように動いている。
藤井 現在、自民党の総裁候補として小泉進次郎さんの名前が挙がっていますが、CIAやホワイトハウスが直接彼に電話して指示しているわけではないですからね。もしかしたら電話委しているのかもしれませんが(笑)。
内田 CIAかどこかのアメリカのシンクタンクから派遣された人が政策ブレーンとして政治家たちの周りにいて、アドバイスを求められたときに「こうすればアメリカは喜びますよね」と知恵を付けている可能性はありますね。あくまでそういう間接的なコントロールにとどまっていて、「ホットライン」でアメリカから指示が出ているということはないと思います。
インテリジェンス研究が軽視される日本
藤井 外国ではCIAやKGBなどを研究対象にした「インテリジェンス研究」というのがありますが、日本にはないんですよね。
KGBの幹部がイギリスに亡命する際に持ち出したスパイ関連の機密文書が「ミトロヒンアーカイブス」という資料として残っているのですが、そこに「Japan」という章があります。でも、誰も訳していなかったので京都大学の僕の研究室で訳して、記事として公表しました。例えば○○新聞の誰がエージェントだとか、○○党のこの人はエージェントだとかいったことが全部書いてあります。エージェントにもいろいろなタイプがいて、事実上エージェントの人とか、単にソ連と仲が良いだけで勝手にソ連のために動いてくれる人とかもいるようです。おそらく、アメリカもそういう誘導の仕方をしているのでしょうね。
内田 そうでしょうね。エージェントも多種多様で、自分で気づかないうちにエージェントの役割を果たしてしまっている人も相当数いると思います。自民党と民社党には結党時点ですでにアメリカの情報機関の金が入り込んでいるし、岸信介も賀屋興宣もCIAのエージェントでした。共産党にはソ連のエージェントが入っていましたし、敗戦後から60年代にかけてはどの政党もそれぞれの「ボス」である外国と何らかのチャンネルを持っていたはずです。自分たちは日本のためだと思って、外国の工作員だという自覚はなかったんでしょうけれど。
藤井 日本テレビもそうやって作られたということもよく知られた事実ですよね。こういうことを言うと陰謀論者だと思われがちなのですが、外国では「インテリジェンス研究」が大学の研究機関に存在していますから、本来は政治学者がやるべき仕事です。ただ、日本の政治学会でそういうことをやると「やばい奴」扱いされてしまうので、なかなかできないですよね。
内田 本来なら歴史学者と政治学者の共同作業でやるべきことですよね。
公文書の隠ぺいが「陰謀論」を強める
内田 アメリカは公文書をどんどん公開しますよね。あの姿勢は素晴らしいと思います。僕は大学卒業後友だちと翻訳会社をやっていた時期があり、当時GHQの資料を大量に訳したことがあります。僕の遠い親戚に平野力三という政治家がいます。片山哲内閣で農林大臣をやっていた右派社会党の活動家でしたが、戦前軍国主義者だったという告発を受けて公職追放されました。それから数十年して、アメリカで公文書が公開されたのを機会に、自分にかかわるすべての公文書のコピーを取り寄せたんです。そしたら、誰が平野力三を「軍国主義者だ」とGHQに告げ口したのかが公文書に書いてあった。西尾末広と曽祢益という民社党の二人でした。彼らが政敵である平野を陥れるために、平野の戦前の経歴について明らかに虚偽の情報をGHQ提供して公職追放をそそのかしたのです。そのことが分かって、のちに平野はカーター大統領から名誉回復を勝ち取りました。
藤井 そうですね。アメリカは公文書に関してはフェアですよね。ちゃんと公開するというノーム(規範)があるのでしょうね。
内田 日本は公文書はすぐに廃棄しますからね。敗戦の時、市谷で陸軍参謀本部が公文書を全部燃やしてからの伝統ですね。東京五輪の財務資料なんかもう燃やしてしまっているんじゃないですか。
藤井 本当だったら捕まる人がたくさん出てくると言われていましたからね。
内田 大阪万博だって、終わった後に住民が監査請求をしても、「帳簿は全部廃棄しました」と言って逃げ出すと思いますよ。
藤井 噂レベルなので固有名詞は出しませんが、今回の総裁選で小泉進次郎さんを推しているある人は、自分の息のかかった人でないと捕まってしまうから実質的に子分である進次郎さんを推薦しているそうです。小泉純一郎さんは「五〇歳になるまでは総裁選に出たら駄目だ」と進次郎さんに言っていたのに、そのお父さんを説得して息子を総裁にさせようとしているとまことしやかに言われています。そういう不正がまかり通るんですよね。
内田 陰謀論が広がるのは、公文書や帳簿などのドキュメントが公開されないからなんです。全部隠すから、「本当は何が起きたのか」が分からなくなってしまう。
「反米世論」が弱まり、コントロールしやすくなった日本
藤井 TPPが典型ですが、アメリカが工作しているというよりも、アメリカが言っていることに日本が明確に従っているというのが実際のところなのでしょうね。
政府機関が外国の国民世論を操作する「パブリック・ディプロマシー」と呼ばれる外交戦略があり、アメリカは日本の世論に対して散々そういうことをやってきました。内政干渉じゃないかという気もしますが、アメリカからすれば自国の国益の最大化を追求するのが当たり前ですから、彼らを責められないところもあります。そういう現実があるわけですから、それに対するカウンターを作らないといけないですし、我々もそういうことを正々堂々とやることが必要ですよね。
そう考えると日本の農業は本当に悲惨というか、アメリカに食われっぱなしの状況ですよね。
内田 アメリカの対日戦略の一環として「日本の農業を潰す」ことはアメリカにとっては合理的な解ですから、あって当然だと思います。
藤井 それは大航海時代や帝国主義の頃からそうですよね。当時に比べればやり口がソフィスティケート(洗練)されて合法的な見かけにはなってきていますが、基本的には他の国から奪えるものは奪おうとしているわけです。特に一九世紀後半や二〇世紀に入ってからは、需要を奪うのがメインになってきましたよね。最初は資源を奪っていましたが、途中から需要のある喜ばれそうなものを作って買わせるようになっていく。そうして買わせたうえで、さらにプランテーションで働かせたわけです。だから、労働も搾取するし需要も搾取するという二重の搾取を近代の帝国主義国家はやってきたわけです。
第二次世界大戦以降は、軍隊ではなく経済学者を宣教師のように使ってグローバリズムを広げ、マーケットを取るようになっていきます。その際にはその国の産業を潰すのが基本ですよね。自国で作れるものは買ってくれないからです。だから規制緩和で農家を潰して農産物を買わせたり、タクシー産業を潰してウーバーを参入させたりするわけです。アメリカは歴史的に考えれば当たり前のことをやっているわけで、それに対するカウンターを考えないといけないのに、小泉進次郎さんを筆頭に売国政策を嬉々として続けている状況があります。
内田 やっていることは植民地主義の時代と変わらないんですけれど、以前はそれでももう少しソフィスティケートされたやり方だったと思います。最近はそのやり方が露骨になってきた感じがします。たぶん日本側が全く抵抗しなくなったので、ハンドルするのに技巧や隠蔽が不要になったんでしょう。ジャパンハンドラーたちの手口が洗練されたものではなくなって、むしろ野卑で露骨になってきた気がする。
藤井 前はもう少し気をつけていたけれど、意外とアホだったということが分かってきたのでしょうね(笑)。
内田 これまではあまり露骨にハンドルすると、反米世論が高まってかえって日本がハンドルできなくなるかもしれないというリスクがあったので、多少は抑制的だったんですけど、そのリスクがなくなった。
藤井 八〇年代のオレンジと牛肉の自由化のときは大騒ぎでしたよね。
内田 六〇年安保以来、日本の反体制運動を駆動していた基本的な情念は「反米愛国」でしたからね。60年代末からの全国学園紛争も、もとはベトナム戦争に対する反対闘争でした。その頃は市民運動も労働運動も盛んでしたし、革新自治体が全国各地に広がっていました。だから、あの時代には日本国内の反米機運を鎮めることがアメリカにとっては急務だったのだけれど、うっかり露骨に日本の学生運動、労働運動を弾圧しようとするとむしろ日本の反米機運に火がついて、場合によってはソ連や中国の干渉を招く可能性もあった。ですから、対日工作はやるにしても丁寧にやろうという配慮はあったんだと思います。でも、二十一世紀に入ってからは「日本には反米世論を作るような力はもはやないから、何をやっても大丈夫だ」というふうに気が緩んできた感じがします。
藤井 そうですね。本誌の前身である『発言者』『表現者』は西部邁が始めたわけですが、彼はもともと東大で左翼の学生運動をやっていました。そしてその先輩には、森田実というあの砂川闘争を戦い抜いた男もいました。西部邁はその後左翼の運動をやめて経済学を勉強するのですが、二〇世紀の終わりごろから「保守」を名乗るようになります。なぜそうなったかというと、左翼にはいろいろな澱が溜まってきていたので、改めて日本国民のナショナリズムをベースに「反米」を展開しようとして左から右に旋回したわけです。つまり、独立のための「反米」が目的だったのです。
内田 まずは国家主権と国土の回復が基本だったということですよね。
藤井 生まれ落ちた以上奴隷ではないように生きていこうとするのは人として当然ですから、国家として隷属している状況があればそこから脱却するというのはすべてに優先する話です。そうでなかったら生きている意味は何にもないわけで、その意味でこの戦後空間は映画『マトリックス』のようにプログラミングされたまやかしだと言えるのでしょうね。
(『表現者クライテリオン』、10月号)
(2024-12-16 19:21)
http://blog.tatsuru.com/2024/12/16_1921.html
農を語る 中編 2024-12-16 lundi
http://blog.tatsuru.com/2024/12/16_1933.html
「対米自立」という気概の喪失
内田 「対米従属を通じての対米自立」というトリッキーな国家戦略が60年代までの自民党政治にはあったと思います。アメリカからの国家主権の回復、北方領土と南方領土(沖縄)の奪還がわが国の最優先目標であることについては、六〇年代ぐらいまでは左右問わずに国民的な合意がありました。けれども、ある時点から誰も「対米自立」を口にしなくなった。
藤井 それを言うと「アホか」という雰囲気になってきましたよね。特に現政府与党関係者達の中で対米自立を主張すると「藤井さんは青いな。中国や北朝鮮に対抗するためにはアメリカとうまくやらなきゃいけないじゃないか」と言われてしまいますから。中国や北朝鮮に対抗するためにはアメリカの「奴隷」であることが必要であり、「奴隷」と言うのが嫌だから「同盟」と言うんですよね。だから「日米安保」を「日米同盟」と言い始めるわけです。少女バイシュンを「援助交際」や「パパ活」と呼ぶのと同じですよ(笑)。日米同盟でも何でもないものを日米同盟とか言い出したことと、農業を守るという気概がなくなってきたことが完全に一致していますよね。
内田 文脈としては全く同じです。農業は国の基幹産業ですから、農業に手を突っ込んでくると激しい反米世論が巻き起こる可能性があった。だから手を触れなかった。けれども、日本の政治家から対米自立の気概がなくなったのを見てとってから対日戦略が一気に粗雑で、露骨になってきた。そういう感じがします。
藤井 誰か司令官がいて日本の隷属化を進めているというよりも、徐々に空気としてそう変わってきたということでしょうね。
内田 今の日本の総理大臣はもう「属領の代官」でしかありません。政権維持のためには、アメリカに朝貢して、ホワイトハウスから官位を「冊封」されるのが最も手堅いと信じている。
藤井 大岡昇平の『俘虜記』という小説がありますが、それと一緒ですね。この小説ではアメリカ人の若い将校がフィリピンの捕虜収容所を管理しているのですが、その収容所の捕虜達の中から一人日本人のリーダーを選ぶんです。勿論とくに明確な基準も無く適当に選ぶ。とはいえ、何の権限もなくて実際には若いアメリカ人が全部仕切っていて、ここで道徳の退廃がどんどん進んでいくという話です。大岡は最後にこれが日本なのだと書いています。つまりその収容所のリーダーが日本の総理大臣だということを、アメリカと戦った大岡は我々戦後日本人に伝えようとしたのだと思います。でも、そういう気概が本当になくなりましたね。
内田 戦後生まれの僕たちは実は主権国家の国民であった経験がないんです。親たちの世代までは大日本帝国の臣民だった。敗戦で帝国は滅びましたけれど、その国運を決定したのは自分たち自身です。他国に指示されたわけじゃない。でも、敗戦で国家主権を失った。そのことの喪失感の深さは戦後生まれの僕たちにはたぶん想像が及ばないと思うんです。彼らには「戻るべき原状」のイメージがあった。「国家主権の奪還・国土の回復」という言葉にリアリティーを感じることができた。でも、僕たちにとってその文字列はしだいに空語になりつつある。
藤井 サンフランシスコ講和条約で主権を取り戻したことにはなっていますが、「なんちゃって主権」でしかないですからね。沖縄のことも放置していますし。
内田 僕は子供の頃「日本国憲法は我々日本国民が作った」と教えられました。子どもですから、教えられるままそうなのかと思っていましたが、ある時期からそんなわけないということに気がつきました。これはほんとうに罪が深いと思うんです。日本人の自己認識の出発点は「われわれは主権国家の国民ではない」という欠落感でなければならないのに、まるで戦争には負けましたが、すぐに国家主権は回復しましたみたいな作話をした。
藤井 そうですそうです。僕もそうでした。ですが実際には国会の公式文書の中にも憲法がGHQによって押し付けられたという経緯が載っているくらい、明白な事実なわけです。なのにそれを子供の頃は知らなかった。でも、今の子供たちも押し付けられたということを知らないでしょうね。
内田 どういう歴史的経緯で日本国憲法が起草されたのかについての国民的合意がないんです。誰がどの条項をどういう意図で書き込んだのかについては諸説があって、どれも決定的ではない。憲法のある条項がどういう議論の末に決定され、なぜこの文言が採択されたかについては、条項そのものの当否とは別のレベルで「歴史的事実」として確定されていなければならないと思うんです。条項の適否についての議論はその先の話です。どうしてこんな条項が書かれたのかについて決定的なことを誰も知らないというところで憲法を議論できるはずがない。
日本の政治家はアメリカを怖がり過ぎている?
藤井 そうですね。昔の自民党、あるいは昔の社会党とかの政治家はそれなりにこういうことを議論していたと思います。しかし、今の政治家は派閥の論理の中で日和見して、どちらについたら得をするかということばかりに頭を使っていて、基本的な教養がなくなっていますよね。
内田 安倍晋三は原爆を落とされてからポツダム宣言が押し付けられたという程度の歴史認識でしたからね。こういう基礎的な事実を知らない人間が憲法について重要な決定を下すというというようなことはあってはならない。
藤井 今回の総裁選でも小泉進次郎氏が典型ですが、そういうことに関心がある人が少ないですよね。立憲民主党も先日代表選がありましたが、そういう議論をどこまで認識しているのか疑問です。
内田 認識していないと思いますね。立憲民主党も何とかして政権交代を実現したい。でも、政権与党であるためにはホワイトハウスから「属国の代官」として適格であるという許諾状を交付されないといけない。総理大臣としての適格性の最優先の根拠が「ホワイトハウスからの承認」であるというのはまことに悲しい話です。
藤井 実際には都市伝説的な部分もありますよね。要するに怖がり過ぎているということです。アメリカ人は、こちらがフェアであれば"That's make sense"(道理にかなっている)と納得してくれますから。核武装の問題に関しても、ちゃんと筋を通せばこちらの言い分をある程度は聞くはずですよ。なのに、進次郎みたいにポエムを言っていたら絶対に無理ですが(笑)。
内田 僕もそう思います。
藤井 場合によっては暗殺が起こることもあるでしょうし、実際にCIAはこれまで途上国で何度もそういうことをやってきましたが、G7の一角である日本でそう簡単にはできないはずです。だから、アメリカと対抗するために一番大事なのは、右だろうが左だろうが普通にロジックを展開してフェアに"make sense"できるような議論をすることだと思います。
内田 そうですね。アメリカといっても別に一枚岩ではありません。日米同盟に関してもさまざまな意見が併存している。日米安保条約を廃止した方がいいと言う人もいるし、在日米軍基地を撤収すべきだと言う人もいる。「日米同盟基軸」を言い立てている人たちはジャパン・ハンドラーの代理人ですから、彼らと異なるアメリカ国内世論を決して紹介しない。でも、トランプが大統領になったら、日米安保条約廃棄の「ブラフ」は仕掛けてくる可能性がありますよ。
藤井 トランプもホワイトハウスに入ったことで説得されて意見を変えたとは言われていますが、そう言い出す可能性は十分にありますよね。
アメリカの対日世論を変える外交努力をすべし
内田 アメリカの中にだって、今のように日本を収奪し過ぎると、日本そのものの国力が衰微して、結果的にアメリカの西太平洋秩序の維持が難しくなるから、日本を植民地扱いするのは止めて、国家主権を認めた方が長期的にはアメリカの国益にかなうという考え方をする人だって当然いるはずです。そういう人たちときちんとコミュニケーションをとって、アメリカの対日世論を変えていくというのが本来の外交だと思います。「アメリカ」とひとくくりにするのがよくない。
藤井 そうですね。田舎の人間が「東京って」と東京のことをひとくくりにして思っているのと一緒ですね。
内田 アメリカは今シリアスな国民的分断にさらされていて、「内戦の危機」だとまで言われています。だったら、その中で最も日本の国益を利する立場の人たちとコミュニケーションをとって、アメリカの対日国内世論を形成する。いわば「アメリカ・ハンドラー」をこそ育ててゆくべきだと思います。
藤井 もちろんそうですよね。「パブリック・ディプロマシー」によって相手の世論を変えることだってできますし、それが本来の政治主権ですよね。
内田 でも、そういうふうにして、アメリカの政治に日本がコミットしていくという発想は欠片もないですね。
藤井 僕は一時期アメリカの学会にかなり出ていましたし、ヨーロッパの心理学の研究会にも行っていて、英語は下手でも完全に対等に議論していたと思います。そうすることができれば認めてくれるわけですが、日本の先輩や後輩でそんな奴はほとんど見たことありません。"Tempura! Fujiyama!"とか言っているだけの田舎者なんですよ(笑)。アメリカ人やヨーロッパ人に引け目を感じているのだと思います。僕は三十歳ぐらいのときにスウェーデンに留学しましたが、当時は九〇年代だったから日本のほうが文化も上で、日本のIT機器や電気製品も勢いがあったから、ヨーロッパ人に対して「俺が教えたろうか」くらいの気持ちでいました。アメリカに行っても「アホばかりやんけ」という気持ちだったのですが、そう思っている人がほかにいなかったんですよね。
たぶん、それと同じように誇りも何もない田舎者の外交がいろいろなところで展開されているのだと思います。進次郎なんて国連会議の記者会見で、日常英語を使えるのをみせてちょっとカッコつけたかったのか"gotta be......"みたいな大臣としては著しく相応しくない砕けた英語を使っていましたからね。
日米同盟以外のシナリオを想定しない政治学者や政治家たち
内田 だいぶ前ですけれど、日本のある高名な政治学者と対談したことがあって、「日本の安全保障戦略として日米同盟基軸以外にどういうシナリオがあるとお考えですか?」と聞いたことがあります。別に困らせるつもりじゃなくて、専門家の意見を知りたかったのです。でも、彼は絶句してしまった。日米同盟基軸以外にどんなシナリオがあり得るのか、考えたことがなかったらしい。でも、これはおかしいと思うんです。アメリカの政治学者に「西太平洋の安全保障戦略として、日米安保条約以外にどういうオプションがあり得えますか?」と訊いたら、いくつかのシナリオを答えてくれるはずです。ヨーロッパの学者に「NATO以外にどういうヨーロッパの安全保障の枠組みがあり得るか」訊いても、たぶんいくつかのシナリオを示してくれると思う。ところが、日本人は日米同盟基軸以外のシナリオについてそもそも考えない。でも、思考実験として、中国と同盟する、韓国と同盟する...などなどいろいろなシナリオについて、その現実性と効果について検討することはしてもいいと思うんです。
藤井 日本人は政治家も学者も延髄が切れているのでしょうね(笑)。ただ『俘虜記』の捕虜収容所のようなところに八十年間近くもいるとそうなる人が多数派になってくるのかもしれないですね。
内田 「対米従属を通じての対米自立」という国家戦略はその時点では十分な合理性があったと思います。それ以外に選択肢がなかったのだから仕方がない。でも、「対米自立」という目的を捨てて、「対米従属」が手段から目的になってしまったら、日本はこらから何のために存在するんですか。
藤井 「国が滅びる」という言葉にはいろいろな定義があると思いますが、もう滅んでいると言ってもいいかもしれませんね。
内田 滅びの道に向かってますね。
藤井 五十五年体制ができたときの最初の綱領に「外国駐留軍の撤退に備える」という条項があって、そのために憲法をどうするかとか、国内法をどう整備するかといった議論があったわけですが、二〇〇〇年ぐらいに綱領の見直しがあって、「日米同盟を基軸に」という文言が入ってしまいました。要するに、自民党は党として外国駐留軍の撤退に備える気がなくなってしまったわけです。
内田 在日米軍はもともと政府から派遣されていた単なる現地軍だったはずなのに、八十年も巨大固定基地で暮らしているうちに気が大きくなって、横田や沖縄を「アメリカの海外領土」だと思うようになってしまった。ホワイトハウスが返せと言っても、在日米軍は返す気がないんじゃないですか。
藤井 本来であれば、政治家がきちんと議論をしていけば時間はかかるかもしれないけれど必ず返ってくるはずですよね。
内田 フィリピンは憲法を改正して、国内に外国軍は駐留できないという条項を入れて、スービック基地とクラーク基地から米軍を撤退させました。韓国だって在韓米軍基地を三分の一まで削減しています。地位協定も世界のどの同盟国でも改訂されている。在日米軍の言いなりで、何もしていないのは日本だけです。
壊滅しつつある日本の農業
藤井 今回は「農を語る」というテーマですが、この議論は「農を語る」ための根幹ですよね。
内田 対米従属文脈の中で、日本の農業が破壊され、食糧が自給不能になり、アメリカから農作物を輸入する以外に国民が食えなくなるという依存体質を作り込もうとしている、そういう理解でいいと思いますけど。
藤井 前編で申し上げたように、農業を守るためには公的資金をきちんと入れることと関税を高めることが必要ですが、現実にはTPPだとか自由化だと言って関税を下げていき、農業への補助金に関しても財務省の緊縮財政によって削減されている状況があります。つまり、「公助」が駄目になって農家の所得が下がっているわけです。最後の頼みの綱である農協という「共助」にしても、小泉進次郎が出てきて株式会社化を進めようとしたり、農林中金を自由化したりして解体しようとしています。
僕はTPPの反対論を展開していたので、「藤井はTPPに入って日本は滅びるとか言っていたが、滅びていないやんけ」とよく言われます。でも、二〇四〇年に日本の農家は三分の一になり、二〇五〇年には五分の一になると言われているんですよ。しかも、今の農家の最新の平均所得(農業の収入と農業を行うのに必要な支出の差額)は一万円にまでなっているんです。ですから、今の農家の方は平均すると貯金を食いつぶしてお米を作ってくださっているわけで、さらに農家の平均年齢は令和五年で六十八・七歳になっています。
内田 皆さん、いずれ鬼籍にお入りになる年齢になっていますよね。
藤井 しかも若い人が入ってきていないですから、これは日本の農業の壊滅を意味しますよ。そのシグナルが今年スーパーで米が消えたことなのだと思います。昔は古米が大量に余っていて、多少高くてもいくらでも買えたはずなのに、それすらできなくなっている。つまり、日本人が米を食えなくなりつつあるわけですよね。だから、すでにこの国は滅びの道に完全に入っているのではないかと思います。
内田 このままだと滅びますよね。滅びる方向にまっすぐ向かっていて、誰も止めていないわけですから。
藤井 しかも、小泉進次郎だとかそのバックにいる菅義偉だとか、自民党のど真ん中にいる政治家連中がそう仕向けているわけですから、ホントに救いようがないですね。
「表現者 クライテリオン」11月号
(2024-12-16 19:33)
http://blog.tatsuru.com/2024/12/16_1933.html
農を語る 後編
2024-12-16 lundi
http://blog.tatsuru.com/2024/12/16_1941.html
地方を見捨てるようになった日本人
内田 かつての自民党の支持基盤は農村部でしたけれども、農村部は衰退しているから政治的な発言力がどんどんなくなっています。そうすると、地方にいい顔をしなくてもいいということになりますよね。能登半島地震にしても、元の姿に復興する気がありませんし。
藤井 農業の議論とも全く同じだと思いますが、二〇一一年の東日本大震災のときにも棄民的な発言が結構ありました。「東北なんて田舎だから放っておけばええやん」と経産省の役人が言っていて、それが大問題になって懲戒処分になりましたよね。当時は復興しないといけないという気持ちがあったわけですが、それから十三年経った今は平然と「あそこは田舎だから復興しなくていい。カネも無尽蔵にあるわけではないのだから復興するところとしないところを分けよう」という議論がなされています。そこで、僕はそんなことを政治家が言っているのはおかしいという記事を書きました。十三年前にも同じようなことを書いて、当時は賛同されていたのですが、今回は炎上したんです。「アホか。そんなところ復興してどうすんねん!カネもないのだから能登なんて放っておけばええやないか!」と批判されて、びっくりしましたね。
内田 この十数年の間にそういう世論形成が着実に進行していて、「人口過疎地に住んでいる人間は健康で文化的な生活をする権利なんかない。だからそこに住んでいるのは自己責任だ」と言われるようになってきていますよね。
藤井 過疎地に住んでいると準反社会的人間のような扱いを受けるということですね(笑)。
内田 そうです。「お前らのために道路やトンネルを通したり橋を架けたりしても、その道の先には人口が数百人しかいないじゃないか。そのために何億円も使うのは税金の無駄遣いだ」というわけです。少なくとも二〇一一年には、そういうことを平然と言う人はそこまでいませんでしたが、今は完全にそうなっています。
藤井 僕は能登に今住んでいる人のことも見ていますが、百年前、二百年前、五百年前、千年前の能登の風土も見ているわけです。輪島なんて江戸時代には北前船のおかげで豪商が生まれて、ものすごく栄えた町でしたよね。そこで輪島塗も生まれて、今や世界中の人が使っています。つまり、能登半島という先代から引き継いだ日本の宝を現代の人間はお守りする義務があるというイメージがあるんです。だから高速道路を通さないといけないし、農業も振興しないといけない。食料自給率の面でもそうですし、棚田のような伝統や文化を残す意味でもそうです。それに価値がないと思う奴は馬鹿ですよ。
人口減少よりも東京一極集中が問題
内田 全国津々浦々に固有の文化があって、かつてエネルギーも食料も自給自足していた二七六の藩があって、その全部に固有の文化があって伝統芸能があったわけですが、当時の日本の人口は三千万人ですよ。今は一億二千五百万人もいて、これで人口が少ないというのは違うでしょう。東京に一極集中しているだけであって、地方に人口を戻すのが最優先です。
藤井 昭和の日本まではそういう感覚があったと思いますし、ヨーロッパの国々には明確に残っています。僕はスウェーデンに留学していましたが、あんな広いスカンジナビアの国土に一千万人しか住んでいないんですよ。僕は第二の都市である四十五万人ぐらいのイェテボリに住んでいましたが、いろんなところにちゃんと町や村が残っていて、高速道路も繋がっていました。アウトレットみたいな近代的なものもありますが、地方の田園の風景がずっと広がっていて、それが無駄という議論はなかったですよ。だって、子供が五人生まれて「コイツは小さいから無駄やな」なんて言う親はいないじゃないですか。本来都市を守るというのはそのぐらいの感覚のはずですから、僕は今の日本人は人間ではないと思います。
内田 おかしいと思いますよね。一億二千五百万人で人口が少ないと大騒ぎしていますが、僕らが子供の時代は九千万人でしたからね。明治四十年の日露戦争の頃は五千万人ですよ。
二十一世紀の終わりに五千万人まで減ると言っているけれど、明治四十年だって全国津々浦々にきちんと生業があって、高等教育機関も医療拠点もあって、文化的な発信をしている人もたくさんいたわけだから、人口が少ないという言い訳は通らないと思います。問題は分布ですよ。そして、人口を首都圏に集めているのは完全にビジネスマインドですよね。つまり金儲けのためです。普通は金儲けより国家の存続を優先するだろうという話です。
藤井 そうですよ。だって、陵辱され侮辱され、馬鹿にされてもお金があるからよろしいですねなんていう人生はあり得ないですからね。人として生きる基本はお金よりも前にあるわけで、それが国土であり田園であり、伝統であり文化であるという主張をしないといけないはずですよね。
内田 「国破れて山河あり」という言葉もありますからね。このままだと次に破れたとき山河はなくなっていますよ。
藤井 そうなりますよね。本誌は政治的には「保守思想誌」という立場ですが、保守もリベラルも関係ないですよね。
内田 共産党の人も今日の議論はほとんど賛成しますよね。
藤井 不思議なもので、自分のことを「保守」だと思っている奴ほどこういう議論に賛成しません。どちらかというと「左翼」と言われる共産党とかの人の方が賛成するんですよね。だから僕は共産党の人とも山本太郎とも喋りますし、左翼も右翼も関係なく話をします。「右」「左」ではなく「真っ当」か「真っ当」でないかという当たり前の話だと思います。
内田 パトリオットかどうかということですよね。僕はナショナリストではないですがパトリオットではあると思っています。「イズム」ではなくて愛郷心や愛国心ですね。ただこの国の山河を守りたいと思っているだけです。日本は山紫水明でご飯も美味しいし、植物相も動物相も豊かな国なのに、それをわざわざ暮らしにくくしているわけです。何を考えているのだろうと思います。
過疎地から人を排除しようとする「ビジネスマインド」
藤井 こういう議論をしていると、農業を守るのは当たり前のことだと誰でも思いますよね。
内田 最優先の政治課題として農業を守らなければいけないわけです。でも、過疎地に人がいるとビジネス的には困るんですよね。行政コストがかかるしあまり使い道がないですから。そこで全部無住地にすることで、一気にビジネスチャンスを広げようとするわけです。ソーラーパネルを敷き詰めたり原発を作ったり風力発電をしたり、あるいは産業廃棄物を捨てたりとか。地域住民がいないので、生態系なんかいくら壊してもいいわけですよね。
今の日本のビジネスマンは「過疎地は金がかかってしょうがないのだから人口をゼロにしろ。そうすればコストをかけなくて済む」と考えているのでしょうし、僕がもし邪悪な性格のビジネスマンだったら絶対にそう考えます。今だって国土の六二%が無住地ですから、これが七〇%や八〇%になっても誰も気がつかないと思うでしょうね。
藤井 TPPとか自由化とか緊縮をやって、二〇四〇年に農家が三分の一に減ったら無住地だらけになりますよね。
内田 そうです。彼らは明確に全国の無住地化を目指していると思います。生態系を管理するコストは莫大にかかりますよね。川や森や海を管理しなければならないわけですから。そこに人が住んで生き延びるためには絶対必要だから、生態系の維持に膨大なコストをかけるのだけれども、人が住んでいなかったら生態系の維持にコストをかける必要がなくなり、破壊し放題なわけです。発電ビジネスをやっている人たちはそれを絶対に狙っていると思います。それで日本に住めなくなったら、「ハワイにコンドミニアムがあるからそこに移る」となるのでしょうね。
藤井 それこそ、自分の娘がべっぴんだからどこかに売ろうか、みたいな話と変わらないですよね。なぜこういう下品な比喩を申し上げたかというと、国土は有機物だと思うからです。和辻哲郎の風土論もそういうものですが、国土を無住地化するということは無機物化するということであり、それはレイプと一緒ですよね。女性に尊厳があるからレイプが駄目なのに、その尊厳を壊すのがレイプという行為だとすると、ソーラーパネルを山河に敷き詰めているのは国土をレイプしているのと同じですよ。
内田 実際に見るとそう感じますよ。普通の感受性なら、お金が欲しくてこんなことをするはずはなくて、明らかに自然を陵辱していますし、悪意ですよ。
藤井 そう思いますね。でも、そこに田園や畑があれば決してそう思わないですよね。気候と人間とが共存するのが農という営みで、雨が降ってきて水田を作って収穫して、また虫が育っていく。生態系と人間の営みが循環の中で溶け合っていくことが大切ですよね。
内田 それによって新しい価値が生まれてくるんですよね。
藤井 そうですね。太陽光発電もレイプも一回の行為で終わりじゃないですか。そうではなく循環することが大事で、家族で愛し合うだとか、国土と愛し合うとか、そういうものが人間の人間らしさであって、国土を道具として使うというのは友達や女性を道具として使っているのと一緒だと思いますね。
「農」の破壊の背後にある「悪意」
内田 僕の友達に想田和弘という映画監督がいて、彼は岡山県牛窓というところに住んでいます。この前彼の家に遊びに行ったら小高い丘の上に連れて行ってくれて、目の前に瀬戸内海が広がっていました。その北側に錦海湾という湾があるのですが、湾が一面真っ黒になっていました。錦海湾は、かつては浅海で豊かな漁場だったのですが、一九七〇年代に製塩業をやろうと言った奴がいて埋め立てたんです。その後、製塩業が全くビジネスにならなくて廃棄されてしまいました。一度製塩に利用した土地は農業に使えなくなるので、産業廃棄物の処分場や工場を建てたのですが、最終的にソーラーパネルを敷き詰めることになり、湾が真っ黒になってしまったわけです。それを見たときに「何と愚かなことをしたんだ」と思いました。
短期的な金儲けのために埋め立ててビジネスをやったら大失敗して、その後ソーラーパネルを敷き詰めて、これも何年か経ったら全部産廃にされてしまうわけです。短期的にしかものを考えない人間たちが自然を壊している光景を見て、僕は悪意を感じましたね。
藤井 レイプする人はそこで欲望を満たそうとしているのでしょうが、それと同じような悪意を感じますよね。
内田 人が大事にしているものを破壊することによって全能感を感じるのでしょうね。皆が綺麗だと思っている海に土足で踏み込んで、皆が悲しむのを見て「俺はこれだけの人たちに悲しみを与えられるのだ」と思うのでしょう。イーロン・マスクがTwitterを買収して世界のユーザーがショックを受けましたが、あれもおそらく金儲けのためではなく、世界の何億人ものユーザーが絶望に打ちひしがれている姿を見て、自分の全能感を感じているのでしょう。ああいう人間っているんですよ。
藤井 僕は『エクソシスト』とかの悪魔映画が好きで山ほど観ているのですが、ホラー映画は現実の人々の行動の中にある悪魔を純化して描いているわけです。キリスト教の悪魔や日本の悪霊として出てくるのはそういうものだと思うのですが、日本が悪魔化、悪霊化していくと農は滅び去る運命にあるということですね。
内田 今の日本で農を破壊しているのは、ある種のすごく邪悪な意思だと思います。本人はおそらく気がついていなくて、最新のビジネスモデルに適合しているとか、あるいはアメリカの国家戦略、世界戦略に適合していると思っているのかもしれないけれども、実際に駆動しているのは非常にドロドロした邪悪な意思だと思いますね。
藤井 本誌では文芸批評家の浜崎洋介さんを中心に「文学座談会」をずっとやっていたのですが、そこで「国土の荒廃」というテーマで石牟礼道子さんの『苦海浄土』と富岡多恵子さんの『波うつ土地』を取り上げたことがあります。どちらも国土が陵辱されるというお話を描いている本で、この感覚を我々は忘れているんですよね。「金が儲かったらええやないか」というものではないんです。こういう感覚をちゃんと持っておくことが人として、そして真っ当な国として存在していく必要条件であって、その必要条件が満たされているかどうかというリトマス紙が、その国が農をどれだけ大事にしているかということになのでしょうね。
内田 全くその通りですね。
藤井 今日は内田先生に初めてお目にかかりましたが、非常に面白かったです。内田先生はどちらかというと「左翼」と言われることが多いと思われますし、僕は保守なので「藤井と内田先生は違うんちゃうか?」と思っている人もいるかもしれませんが、ほぼ同じことを考えていると思います。真っ当な保守と「ビジネス保守」がいるように、左翼も真っ当な左翼と「ビジネス左翼」的な人がいるのかもしれませんね。
内田 ビジネス左翼はあまりいないと思いますが、非常に教条主義的でものの見方が固定化している人は多いですね。
藤井 朝日新聞とかはかなりビジネス化しているところもあるでしょうが、教条主義的な人と、そうではなくしっかりと議論できる人がそれぞれにいるということが改めて見えましたし、こういった思想的な問題の果てに農の問題があるということを確認できたと思います。
内田先生は前からお話ししたいと思っておりまして、お時間がありましたら食事でもご一緒できればと思いますし、これを機にいろいろなところでお話ができればと思います。どうもありがとうございました。
内田 こちらこそありがとうございました。
(2024-12-16 19:41)
http://blog.tatsuru.com/2024/12/16_1941.html
▲△▽▼
【緊急配信】小泉進次郎コメ大臣の「ウソ」を暴く!石破と財務省の思惑は?(京都大学教授・藤井聡)
藤井聡チャンネル『表現者クライテリオン』2025/05/28
▲△▽▼
内田樹 - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9&sp=CAI%253D
内田樹の談論風発
デモクラシータイムス
https://www.youtube.com/playlist?list=PLtvuS8Y1umY_qhIB3elBNBavcQJWLS-8Q
内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/
内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14154268
ゲスト:内田樹氏 テーマ:マルクス!(2023年7月6 日放送・前半無料パート)ゲスト:内田樹、出演:島田雅彦・白井聡、司会:ジョー横溝 - YouTube
内田樹 『甦る「資本論」』出版記念イベント
2023/10/29
西谷文和 路上のラジオ 第178回 内田樹さん(思想家) 「学歴詐称、イスラエル、裏金、万博。全てがつながっている。」
2024/04/19
ゲスト: 内田 樹さん(思想家)
書評・白井聡「武器としての「資本論」(東洋経済新報社刊) - 内田樹の研究室書
2020-06-12
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1081.html#c4
白井さんと話したこと - 内田樹の研究室
http://blog.tatsuru.com/2023/04/01_0810.html
内田樹 「なぜ人を殺してはいけないのか?」
20世紀の倫理-ニーチェ、オルテガ、カミュ - 内田樹の研究室
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/520.html
外国語学習について - 内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14094875
生産性の高い社会のゆくすえ - 内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14089041
中国最新事情 - 内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14089049
日本の研究力の低下 - 内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14051677
内田樹 _ 「統御し、管理しようとする欲望」が今の学校教育の荒廃の主因
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14060400
内田樹 _ あらゆる制度は性善説で制度設計した方が圧倒的に効率がよいし、生産性が高い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16883723
▲△▽▼
▲△▽▼
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9
![]() 2021年
|
|
生誕 | 1950年9月30日(74歳)![]() |
---|---|
研究分野 |
哲学 フランス現代思想 |
内田 樹(うちだ たつる、1950年9月30日 - )は、日本のフランス文学者・武道家(合気道凱風館館長。合気道七段、居合道三段、杖道三段)・翻訳家・思想家[・エッセイスト。元学生運動家[3]。神戸女学院大学名誉教授。学位は修士(旧東京都立大学・1980年、フランス文学専攻)。専門はフランス現代思想[4]。立憲民主党パートナー。
東京大学文学部卒業。旧東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。
高校を中退したが、大学入学資格検定を経て東大に入学、文学部仏文科卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。フランス現代思想を専門とし、大学で教鞭を執る。
『ためらいの倫理学』(2001年)以来、エマニュエル・レヴィナスをはじめ思想の簡明な解説や、知的エッセイを数多く執筆。少子高齢化、成熟した資本主義経済の末路への予測から、消費を基盤とした経済システムが終焉を迎えつつあるとし、今後は共同体による相互扶助、共生的な考え方を基盤とした社会を目指すべきだとしている。ネットにおける匿名性の危険性についても、警告を発しており、著書の多くはブログから発信した文章がもとになっている。
映画や武道に関する批評活動でも知られ、自身も合気道や居合道の有段者である。合気道については、大学を退職後、道場兼能舞台である「凱風館」を完成させて、そこで師範として合気道の指導を行っている。
「内田樹の研究室」というブログを運営している[6]。『ためらいの倫理学』は、冬弓舎の内浦亨が内田のサイトのテキストを発見したことから刊行された[7]。書くことの目的が生計を立てるではなく、一人でも多くの人に自分の考えや感じ方を共有してもらうこと」との考えから、ネット上で公開した自身のテクストについては「著作権放棄」の考えを示しており、他人が剽窃によって収入を得ることも容認すると2009年に述べている。一方、講演については謝礼が必要(ノーギャラは仕事のクオリティを認めていない)としている。
来歴
東京都大田区下丸子に生まれ育つ。父方の祖母のいとこに、参謀本部作戦課長、陸軍大臣秘書官として東條英機の側近だった服部卓四郎がいる。
1963年に大田区立東調布第三小学校を卒業。1966年に大田区立矢口中学校を卒業。
1966年、東京都立日比谷高等学校に入学。高校2年で成績が学年最下位になり、のち品行不良を理由に退学処分を受けた。家出してジャズ喫茶でアルバイトをするが、生活できなくなり、数か月後に親に謝罪し家に戻った。
1968年10月、大学入学資格検定に合格。1969年、東京大学入試中止の年に京都大学法学部を受験し不合格。駿台予備校を経て、1970年4月、東京大学文科三類に入学。この頃、三里塚闘争に参加する。東大生となってから学習塾のバイトをしだした。バイト代が時給500円(当時)で国立大学の授業料が月額1000円(当時)だったので一日2時間労働するだけで月謝が払えていた。そのため、月謝以外の稼ぎは両親からの自由を求めて借りたアパートの賃貸費用に充てていた。内田が働いていた学習塾は大学生70人で回してたが25%が過激派の大学生だったとしている。
1970年代初頭に学生運動から離脱。1975年3月、文学部仏文科卒業。1975年12月、合気道自由が丘道場に入門し多田宏に師事(大本教教主輔の出口王仁三郎の曾孫弟子に当たる)。1976年に4歳年上の女優と結婚している。妻の父親(岳父)は平野三郎。1977年1月、平川克美と共に翻訳会社「アーバン・トランスレーション」を設立。
1977年4月、東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程(フランス文学専攻)に入学。入学後も会社経営を続けた。修士論文はモーリス・ブランショ、指導教官は足立和浩。1980年4月、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程に進学。ブランショと影響関係のある哲学者として、エマニュエル・レヴィナスの名を初めて知る。たまたま手にとった『困難な自由』の最初のテクスト「倫理と精神」を読んで衝撃を受け、「この人についてゆこう」と決心する。
1982年4月、東京都立大学人文科学研究科博士課程を中退。東京都立大学人文学部助手(フランス文学専攻)となる。1985年9月、エマニュエル・レヴィナスの訳書『困難な自由』を国文社から刊行。1987年9月、レヴィナスに面会。1989年に離婚、娘の内田るんと父子家庭になる。
1990年、神戸女学院大学文学部総合文化学科助教授となる。1997年2月、観世流能楽師の下川宜長に入門、仕舞と謡を習い始める。2001年3月、初めての単著となる『ためらいの倫理学』(冬弓舎)を刊行。2009年、能楽師小鼓方大倉流の高橋奈王子と再婚。同年11月、『日本辺境論』(新潮新書)を刊行。
2010年7月に平松邦夫大阪市長のもとで市長特別顧問を務める。2011年3月、神戸女学院大学教授を退職。同大学名誉教授。同大学の合気道部顧問を継続して務める。同年4月、第3回伊丹十三賞を受賞。同年11月、神戸市東灘区住吉本町に道場兼能舞台の「凱風館」が完成、館長を務める。
主張
学生運動関連
1970年初頭に学生運動離脱の波が起きる。前日までアジ演説をしていた新左翼学生たちが翌朝に消失し、身綺麗な身なりに整えてからキャンパス生活へ戻ってきた。学生運動を離脱した彼らの真意を問うと「なんとでも言ってくれ。おれは東大出という看板を棄てるわけにいかないんだよ」と言われて納得している。彼ら東大生の学生運動家は一流企業や中央省庁に入っていった。内田はこのタイプの学生運動家は好きであると述べている[3]。逆に、「学生政治運動が現実的にほとんど無意味だということが分かっても、「革命」が幻想だということが分かっても、なお党派や組織にしがみついている」タイプは当時から苦手であった。内田は、卒業後を考えても現実的には無意味である学生運動に関する葛藤を感じないタイプの彼らは、有機農業、市民運動家、田舎ペンション経営理念、ジャズコンサートのプロデュースなど、地方の「ちょっと毛色の変わった教養人」みたいなポジションを卒業後にしていると主張している。内田も1970年代初頭に学生運動から足を洗ったが、綱領や党派の名で他者を罵倒や負傷させた学生運動時代から方向転換したことから、自身には説明責任があると考えている[3]。
政治関連
自由民主党と公明党による連立政権である安倍内閣に対して、独裁[46]という強い表現を使って反対の立場を表明している。日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』のインタビューで、「日本共産党に期待することは、マルクスの教えのもっとも本質的なところ、すなわち『ものごとを根底的にとらえる』という意味でラディカルな政党であってほしいということです」と述べている[47]。
月刊日本2017年5月号「日本人にとって天皇とは何か」中で天皇制を奉じる旨明言した[48]。
2019年3月27日、公式Twitterにて「新元号に現政権に阿る解釈を許す文字が含まれていた場合には、僕は以後二度と元号を使いませんし、『元号』という語そのものを使わないことにします」とツイートした[49]。同年4月2日、自らの公式ブログにて「元号は、天皇制に深くかかわる国民文化的な装置」と述べ、「令和」という元号については安倍政権のコアな支持層である日本会議の支持層である国粋主義者へのイデオロギー的配慮で国風にこだわったものであると評した[50][51]。
憲法9条の改正には反対であるが、自身の憲法観と自衛隊についての考え方は「いわゆる『護憲派』のそれとはだいぶ違っている」という。憲法九条と自衛隊を「双子的制度」と呼び、この2つは「アメリカのイニシアティヴのもとに戦後日本社会が狡知をこらして作り上げた『歴史上もっとも巧妙な政治的妥協』の一つである」、「憲法九条と自衛隊が『リアル』に拮抗している限り、日本は世界でも例外的に『安全な』国でいられると私は信じている」と述べている[52]。共著に『9条どうでしょう』(毎日新聞社)がある。
『すばる』2007年1月号で高橋源一郎、矢作俊彦と対談した際、矢作の「有事に現自衛隊法では自衛隊員は銃を撃つこともできない、こういった「あいまいさ」は関東軍と同様で危険だ」という意見に対し、「日本人は原理原則が行動原理ではないので、憲法もあいまいなままでよい」と主張した。
教育問題における立場
教育行政について、政治や政治家は教育に関わるべきではないとする立場をとっている。学校教育という制度が、非常に惰性の強い制度であって、急激な変更はなじまないと考えている。つまり、政治家が替わるごとに教育に急激な変化が起こるのは、決して良いものではないという考えである。たとえば、大阪市長特別顧問に就任した際の記者会見において、平松市長に対してこう述べている。「私が市長にお願いしたいことが一つあります。一つだけです。それは地方自治体の首長は教育行政に関与して欲しくないということです」[53]。この“政治が教育行政に関わりすぎるべきではない”という点において、大阪維新の会の教育政策には批判的である[注 5]。
公立中学校での武道の必修化について
公立中学校での武道の必修化については反対の立場である[54]。
部活動について
日本の学校における部活動を「文化資本の民主的分配」という側面から肯定的に捉えており[55]、昨今問題視されている「ブラック部活」や教員の長時間労働については解決されるべきであるとしながらも[55]、その一環として政府が進める部活動の地域移行には疑問を呈している[55]。これに前後して部活は教育者の仕事であり、教員を増員することで今後も学校が担うべきとの見解もTwitterで示している[56]。これに対しては部活動の実態がそもそも内田の掲げる理想からかけ離れている現状[57]、教育課程外である部活動を維持する為の教員増員の困難性[58]などから多くの反論が寄せられた。内田はこれらについて個別の反論は行っていないが、後日のTwitterで教員志願者を増やす方法を開陳し[59]、それでも教員不足が解消されない場合は自らの不明を恥じて以後教育については一切発言をしない旨表明している[59]。
「市民的成熟」と国民国家の関係論
内田は、国民国家は擬制であり本質的に恣意的な構築物であると考えているが、国民国家がきちんと機能するためには、「それがあたかも自然物であるかのように、天来のもの、神授のものであるかのように、ふるまってみせる必要」があり、それができることが市民的成熟の1つの条件であると思っているという。国旗や国歌に対しても「適切にふるまう」ことができるのが成熟した国民国家成員の条件であるとしている。「国民国家とは何か」について各人が自己責任において思量することこそが国民国家成員にとっては不可避の義務であり、それは自分の代わりに他人に考えてもらうことではないし、他人に命令されることでもないと内田は考えているという。そして、「国民国家は擬制であり、私事である」ということをわきまえた上で、なおかつ国民国家以外の選択肢がないときに、「これをどのように気分のよいものにすべきか、とまずは手元足元の工夫から始める人」のことを内田は「成熟した市民」と呼んでおり、内田によればそれが「標準的な『市民的成熟』の階梯」であるという。「この健全な市民への成熟の行程」への妨げになるがゆえに、内田は国旗国歌に対する業務命令や法的強制に原則的につねに反対してきたのだという[60]。
東北論
自身は四代前が庄内藩士、三代前が会津藩士であり(いずれも戊辰戦争の敗者側)、東北人の屈託は内田家の家風であるという。近代日本を全部壊した第二次大戦の軍部上層部に東北人が多いことから、東北人の戊辰戦争に対するルサンチマンの影響を指摘している[61]。また日本の言論で最強であるのは東北寒村的な「貧農の苦しみがお前らにわかるか」といったような「コロキアルな身体実感をもつ言葉と政治的幻想が癒合したタイプの言説」「『やられたらやり返せ』という中学生的マチスモと市場原理主義、弱肉強食の能力主義」 であり、都市の左翼的知識人やリベラル派はそれに対抗する力を持っていないとする[62]。
学力低下論
同学齢集団内の競争というシステムが、「他人のパフォーマンスを下げる」という相対優位の戦略を取らせると主張している[63]。また、日本の子どもたちが学習意欲を失ったのは、「勉強すれば、金になる」という利益誘導のロジックが学校教育を覆い尽くし、親・教師・メディア・政治家もそのロジックを主張したためであると述べている[64]。
地球温暖化問題について
温暖化と二酸化炭素の間の因果関係はまだ科学的には証明されていない、と2007年に述べている。氷期と間氷期を交互に経験する地球は現在は「間氷期」にあり、いずれは氷期が訪れて動植物が激減すると内田は考えているため、「温暖化には類的な立場からはそれほど怯えることもないのではないか」と考えているという[65]。
音楽の趣味「ナイアガラー」
1976年3月に野沢温泉スキー場で「楽しい夜更かし」を聴いたのが、大瀧詠一の音楽を最初に経験した機会であったという。以後37年間、内田は忠実な「ナイアガラー」として過ごしたと2013年に述べている[66][注 6]。
内田は「ナイアガラー」の語義を次のように説明している。「『ナイアガラー』というのは、大瀧詠一さんが実践してきた音楽活動(には限定されないもろもろの活動)をフォローすることを人生の一大欣快事とする人々の総称です。」「ナイアガラーは『日本のフリーメイソン』であるから、どこで知り合っても『私、ナイアガラーなんです』とカミングアウトすればたちまち百年来の知己となることができる。これは他のミュージシャンにはあまりないことである。」[67][68]
2005年8月19日に大瀧と初めて会う[66][注 7]。2007年から2013年までの間、「ラジオデイズ」のオーディオ・コンテンツとして大瀧との座談会を平川克美らと共に計6回行い、大瀧の自宅兼スタジオである福生スタジオに招かれるなど親交を深めていった[69]。
言語教育論
「読解力というのは目の前にある文章に一意的な解釈を下すことを自制する、解釈を手控えて、一時的に『宙吊りにできる』能力のことではないか」と主張しており、「『読解力を上げるためにはこれがいい!』というようなこと言い出した瞬間に、他ならぬそのような発想そのものが日本人の知的成熟を深く損うことになる」としている[70]。2018年の時点では現状を「今の日本社会は、自分自身の知的な枠組みをどうやって乗り越えていくのか、という実践的課題の重要性に対する意識があまりに低い。低いどころか、そういう言葉づかいで教育を論ずる人そのものがほとんどいない。むしろ、どうやって子どもたちを閉じ込めている知的な枠組みを強化するか、どうやって子どもたちを入れている『檻』を強化するかということばかり論じている」と批判している[70]。精神科医が軽々しく診断を下さないようにしているのと同じように、急いでシンプルな解を求めないことこそが重要であると主張している[70]。また、内田がそのように考えるに至ったのは、エマニュエル・レヴィナスの著書を翻訳している内に心の成熟が必要であると気付き、自身も心が成熟する内に意味が分からなくても洋書を読めるし、何を書きたいのかわからないままにでも書けるようになったと話している[70]。
反若者論
オタク嫌い。「「オタク」とか「萌え」とか「やおい」いうのは私がもっとも苦手とする領域」「こういう子ども中心のアンダーグラウンド的なネットワーク活動」「「おのれ自身を位置づける歴史的文脈」に反応する知的アンテナそのものが「オタク」の諸君にはほとんど構造的に欠落している」「ほとんど自己言及だけで構築されている自閉的な文化活動」「自分の立ち位置について客観的に語ることのできない人間と話をするのはすごく消耗する。だから、私は「オタク」が苦手なのである。」と表明している[71]。にも関わらず『ONE PIECE』や『鬼滅の刃』の批評のオファーが来ることがあり困惑している[72]。
いわゆる1970年代~1980年代生まれあたりの世代に批判的で、「(2002年当時)いま15歳から35歳までの「ダメ人間」世代はあと20年後くらいには「スキルもないし、購買力もないし、知的生産力もないし、情報発信力もないし、政治的主張もないし・・・ひとことでいえば『どーでもいーひとたち』」として年下の世代から、ずいぶんぞんざいに取り扱われることになるだろう。」[73]とし、2013年1月には「日経トレンディネット」に掲載された原田曜平との対談「日本企業は若者とどう付き合うべきか?」にて「私は今の30代後半から45歳前後の世代が、申し訳ないですが、“日本最弱の世代”と考えています」と発言[74]。その一方で今の20代とは仲がいいと続けた[74]。
著書
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9
▲△▽▼
小泉進次郎 農水大臣爆誕 小泉家とコロンビア大学の関係 - 777ブログ
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/05/29/173626
田中角栄の弟子、愛国の志士 石破茂の政策
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16871243
自民党議員たちが高市早苗を選ばなかった“想像以上の嫌悪感”とは
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16866842
詐欺師 玉木雄一郎 _ 消滅しかかった国民民主党はCIAの大宣伝工作によって浮上
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16878279
保守・右翼が大好きなアホ陰謀論
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/05/15/183945