室内楽の名曲を聴こう _ ベートーヴェン『ラズモフスキー四重奏曲』

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Windows 10・11】ブルーライトカットの設定方法!
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777 音楽、映画、美術、文学関係 youtube リンクまとめ
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ベートーヴェン名曲集
https://a111111.hatenablog.com/entry/2025/07/27/061441  

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven(ドイツ ボン 1770 - 1827)
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カペー弦楽四重奏団Capet String Quartet - Beethoven: String Quartet No.7 in F Major Op.59-1 (1928.6.15)
https://www.youtube.com/watch?v=zCYAbREkBjQ
https://www.youtube.com/watch?v=kNcYh3BPkCA
https://www.youtube.com/watch?v=p8MaSiZ_bfE

https://www.youtube.com/watch?v=7wXv7GbtXAM
https://www.youtube.com/watch?v=_H_3nK9w_GU
https://www.youtube.com/watch?v=CW6x63lRu-g

カペー弦楽四重奏団:
リュシアン・カペー (1st Vn)
モーリス・エウィット (2nd Vn)
アンリ・ブノワ (Va),
カミーユ・ドロベル (Vc)
1928年6月15日 パリ録音
原盤: 仏COLUMBIA D15063/70

ブッシュ弦楽四重奏団
String Quartet NO.7 in F Major, OP.59 No.1
https://www.youtube.com/watch?v=30t7NzG_eMg
https://www.youtube.com/watch?v=2KPegE4hzZA
https://www.youtube.com/watch?v=FAjuvsQuCPQ
https://www.youtube.com/watch?v=_j0azp_6YQM

https://www.youtube.com/watch?v=N7KtDUpM1VI
https://www.youtube.com/watch?v=QoKCnpAYhr4
https://www.youtube.com/watch?v=sQXy-l0-RRQ
https://www.youtube.com/watch?v=EXOMs7QVXLg

https://www.youtube.com/watch?v=W7wJSqsF2vo
https://www.youtube.com/watch?v=O4xSQ_O60L0
https://www.youtube.com/watch?v=8XDYqFT5_9I
https://www.youtube.com/watch?v=HPpbTJbkxDE

The Busch Quartet


レナー弦楽四重奏団
Lener Quartet - Beethoven : String Quartet in F "Rasoumoffsky" Op.59 - No.1 (1927)
https://www.youtube.com/watch?v=agAzkk-BHHQ
https://www.youtube.com/watch?v=EprchZthDlM

recorded in 1927, Wigmore Hall, London
transferred from Jpn Columbia 80rpm / J-7141/3(AX-2065, 2070/3)


ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
Beethoven String quartet No.7 in F major, op.59-1 ( vienna konzerthaus quartet )
https://www.youtube.com/watch?v=PQ125KepD3w

( studio recording. 1951. mozartsaal, konzerthaus, vienna )


Beethoven / String Quartet No.7 / Vienna Konzerthaus Quartet
https://www.youtube.com/playlist?list=PLFLIXHV82YcwGWfvm657wTua4g2Um0mpL
 
 
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ベートーヴェン弦楽四重奏曲 第8番 ホ短調 作品59-2』
 

レナー弦楽四重奏団Lener Quartet - Beethoven : String Quartet No.8 e-moll "Rasoumowsky" Op.59-2 (1938)
https://www.youtube.com/watch?v=3TnQC9xQ8Sc
https://www.youtube.com/watch?v=ee5-2vnjG4g

recorded in 1938
transferred from Jpn Columbia 78s / JW-225/7(CAX-8283/7)



Lener Quartet - Beethoven : String Quartet No.8 e-moll "Rasoumowsky" Op.59-2 - 3rd & 4th Mvt 3 & 4
Ⅲ. Allegretto Ⅳ.Finale - Presto
https://www.youtube.com/watch?v=ee5-2vnjG4g&list=RDee5-2vnjG4g&start_radio=1

transferred from Jpn Columbia 78s / JW-227/8(CAX-8288/90)
 ブッシュ弦楽四重奏団String Quartet No. 8 in E Minor, Op. 59 No. 2 "Rasumovsky"
https://www.youtube.com/watch?v=Pyo0r10rTsg

https://www.youtube.com/watch?v=hBKTix4kqS0
https://www.youtube.com/watch?v=1BE3OgyI5Z4
https://www.youtube.com/watch?v=YkNo5AkL7PM
https://www.youtube.com/watch?v=c0Jzp887KNw

https://www.youtube.com/watch?v=FTGunTIod8M
https://www.youtube.com/watch?v=GsUvH96Hr-E
https://www.youtube.com/watch?v=LLz2Dr786s0
https://www.youtube.com/watch?v=smyATOECtF0

Busch Quartet
Cello: Hermann Busch
First Violin: Adolf Busch
Second Violin: Gösta Andreasson
Viola: Karl Doktor


バリリ弦楽四重奏団
バリリ四重奏団 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第8番 op.59-2 Beethoven String Quartet No. 8 Barylli Quartett 1956
https://www.youtube.com/watch?v=yuLTl4XYGOU
https://www.youtube.com/watch?v=hoVmPfWvXj8


バリリ弦楽四重奏団
ワルター・バリリ(第1ヴァイオリン)
オットー・シュトラッサー(第2ヴァイオリン)
ルドルフ・シュトレンク(ヴィオラ)
エマヌエル・ブラベッツ(チェロ)
録音1956年

アルバンベルク四重奏団

Beethoven String Quartet No 8 Op 59 No 2 in E minor Alban Berg Quartet
(Live at Konzerthaus, Wien, VI.1989)





Beethoven - String Quartet No.8 in E minor, Op. 59, 'Razumovsky' No.2




Alban Berg Quartett
1st violin - Günter Pichler
2nd violin - Gerhard Schulz
Viola - Thomas Kakuska
Violoncello - Valentin Erben
 
 
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ベートーヴェン弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 作品59-3』

 


ブッシュ弦楽四重奏団
Beethoven - String quartet n°9 op.59 n°3 - Busch SQ
https://www.youtube.com/watch?v=ukVG9A6TALw
https://www.youtube.com/watch?v=sctJXAJdSSI
https://www.youtube.com/watch?v=xT5LfNy1HCo
https://www.youtube.com/watch?v=91YtBWIZs4M


https://www.youtube.com/watch?v=liX-t1W-HFY
https://www.youtube.com/watch?v=29lVtGsLyJc
https://www.youtube.com/watch?v=85TLV4k87hc
https://www.youtube.com/watch?v=ltsmLa-5-8w

The Busch String Quartet
 Adolf Busch(1st Violin)
 Gösta Andreasson(2st Violin)
 Karl Doktor(Viola)
 Hermann Busch(Cello)
10-16 November 1933, London
レナー弦楽四重奏団String Quartet No. 9 in C Major, Op. 59 No. 3 · Lener Quartet
https://www.youtube.com/watch?v=IpABW9BwpnA
https://www.youtube.com/watch?v=nEhVE4lGD5k
https://www.youtube.com/watch?v=HmroWNrkrWY
https://www.youtube.com/watch?v=rSO11Hvtw9g



Beethoven:String Quartets#9 in C -Op59#3 & #16 in F -Op135-Lener Quartet
https://www.youtube.com/watch?v=-zLCMBu9APM

バリリ弦楽四重奏団
Beethoven: String Quartet No. 9, BarylliQ (1955) ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第9番 バリリ四重奏団
https://www.youtube.com/watch?v=JDOziEGF2n0


バリリ四重奏団
 第1ヴァイオリン:ワルター・バリリ
 第2ヴァイオリン:オットー・シュトラッサー
 ヴィオラ:ルドルフ・シュトレンク
 チェロ:エマヌエル・ブラベッツ

録音:1955年 モーツァルトザール、コンツェルトハウス (ウィーン)


スメタナ弦楽四重奏団Beethoven - String Quartet No.9 “Rasoumovsky” no.3  Smetana SQ
https://www.youtube.com/watch?v=6zeghxBegNU

(演) スメタナ 弦楽四重奏団
1979年
Beethoven - String quartet n°9 op 59/3 - Smetana SQ 1963
https://www.youtube.com/watch?v=LdALqprqikg

Smetana String Quartet (Jiří Novák - Lubomir Kostecký - Milan Škampa - Antonin Kohout)
Studio recording, Prague, 1963

 

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ベートーヴェン:ラズモフスキー1番〜3番【解説とおすすめ名盤5種|感想】(弦楽四重奏曲第7〜9番)

 

花咲く弦楽四重奏曲

青春!情感!華々しい!

3曲そろって素晴らしい名曲群!!

 


No. 7 in F Major, Op. 59, No. 1 "Rasumovsky" - 1. Allegro 

 

光り輝く傑作!

ベートーヴェンの「ラズモフスキー」とはベートーヴェン弦楽四重奏曲の第7番〜第9番の3曲の総称です。

今回はそのラズモフスキーの解説とおすすめ名盤を紹介です。

 
 

【全曲解説】ベートーヴェン:ラズモフスキー1番〜3番

有名なエピソードを含む、こんな解説があります。  

オーストリア大使としてウィーンに駐在していたロシアの貴族ラズモフスキー伯爵の抱えていた弦楽四重奏団(中略)のために書かれたもので、この三曲が「ラズモフスキー」と呼ばれているのはそのためである。

これらの曲は、ベートーヴェンが36歳の時(1806年)に作曲したもので、いずれの曲も、初期のころの作品と比べて格段の進歩を示し、独自のスタイルをもった傑作となっている。

出典:志鳥栄八郎 著 「不滅の名曲はこのCDで」P251より引用

ベートーベンの有名な言葉があります。 

「精神がわたしに語りかけている時、あなたの哀れなヴァイオリンのことなど考えていられると思うか?」

この言葉はベートーヴェンの作曲したラズモフスキーに対して「演奏するには、難しすぎる」と訴えた当時のヴァイオリニスト、シュパンツィヒに向けて語ったものです。

そして、解説にあったラズモフスキー伯爵の抱えていた弦楽四重奏団のリーダーであったのが、そのシュパンツィヒでした。

そんなエピソードがあるくらい高度に仕上がった弦楽四重奏曲なわけですが、その上、メロディもこの上なく美しいのが特徴です。

古今東西弦楽四重奏曲の中でも若々しくフレッシュな魅力も備えたベートーヴェン:ラズモフスキーは、演奏される機会も多い名曲ですね。 

今回は、ラズモフスキー3曲を順を追って解説していきます。

 

【解説】ベートーヴェン:ラズモフスキー1番(弦楽四重奏曲第7番)

「青春四重奏曲」そんなイメージのベートーヴェン:ラズモフスキー1番(弦楽四重奏曲第7番)です。

第1楽章 アレグロ(速く)

様々な感情が入り乱れながらも喜びや希望を失わない。

そして、人が成長していくにつれて「子どもでもなければ大人でもない」そんなとき

  • 自由と責任
  • 感情の開放と抑制
  • 理想と現実

これらのはざまで、心は揺れ動きながらもやっぱり輝いてるのが「青春」。

アルパカが、その複雑でありながら輝いてるイメージを感じる曲がベートーヴェン:ラズモフスキー1番なのです。

 

第2楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・センプレ・スケルツァンド(常におどけて)

なんと明るさと、こっけいさが入り混じった楽しいメロディなことでしょう!

ベートーヴェン:ラズモフスキーシリーズの「青春の楽しさや嬉しさ」がギュッとつまった楽章ですね。

「『青春』ってこんな曲のような気持ちのが持続してる状態を言う」のではないかと思ってしまいます。

そんな「嬉しい気持ちがいっぱい」の1曲です。

 

第3楽章 アダージョモルト・エ・メスト(きわめてゆるやかで、悲しげに)

「青春」の時にある、この悲しみは一体どんな場面でしょう。

  • 親しい人との永遠の別れ?
  • 失った恋の悲しみや片思い?
  • 感情をゆさぶられる「怒り」のうらにある悲しみ…?

繊細な「青春」のときには様々な心の小さなさざなみにも感じやすいもの…。

そんな人生の純粋な一時期の感性を歌っているようですね。 

 

第4楽章 テーマ・ルス:アレグロ(ロシア風主題:速く)

心が春のようなあたたかい光に満たされたようなさわやかな1曲です。

感情の回復が早いのも「青春」の特権…。

ほがらかに、楽天的に「青春」を謳歌する、うれしく楽しい一幕が描かれている。

そんな印象のベートーヴェン:ラズモフスキー1番のフィナーレです。 

 

【解説】ベートーヴェン:ラズモフスキー2番(弦楽四重奏曲第8番)

「情感四重奏曲」

ベートーヴェン:ラズモフスキーの3曲の中では、そんなイメージの曲です。

唯一「短調の曲」であって、とくに「暗い情感」のこもった深みのある1曲となっています。

刺激的でパンチの強い、ベートーヴェン:ラズモフスキー1番や3番と比べますと地味な立ち位置にいますが、いつまでも心の奥底では記憶に残ります。

なぜなら、ベートーヴェン:ラズモフスキーのなかでも、「内省的で、聴いた後に香り高い印象が残る1曲」とも言えるからです。

第1楽章 アレグロ(速く)

「ジャン、ジャン♫」

という、激しく始まりながら、その後の展開はとても緊迫した刺激的な内容になっています。

ベートーヴェン:ラズモフスキー2番の「悲劇的な情感」がもっとも濃く表れている楽章でもあり、惹きつけるものを感じます。

まさしくベートーヴェン:ラズモフスキー2番における聴かせどころ満載の「始まりの楽章」です。

 

第2楽章 モルトアダージョ(きわめてゆっくりと:深い感情を持って)

ベートーヴェン:ラズモフスキー全3曲の中でも、もっとも「憂いの情感」のこもった名曲です。

ゆっくりとした音楽の流れとともに、その「憂いの情感」が含まれているという特徴があり、とても深い内省の気持ちを思い起こさせてくれる曲でもあります。

冬の時期に「しとしとと降る冷たい雨」の印象もありますね。

 

第3楽章 アレグレット(やや速く)

冒頭は少し速めに走り抜けていく「小さな悲しみ」という印象です。

途中、明るめの曲調にもなりながら曲は進んでいきます。

だんだんと「暗い情感」からは離れはじめている印象ですが、天気で言うと少し雲がかかっている感じとも言えそうな1曲です。

 

第4楽章 プレスト(きわめて速く)

第1楽章〜第3楽章の憂うつな傾向のある雰囲気から開放された明るい1曲です。

テンポも速く、かろやかな足どりは、ベートーヴェン:ラズモフスキー2番のフィナーレを印象的にしている一因にもなっています。

つまり、この起伏に富んだ展開のドラマティックさが魅力となっているのですね。 

 

【解説】ベートーヴェン:ラズモフスキー3番(弦楽四重奏曲第9番)

「華やか四重奏曲」というイメージですね。

ベートーヴェン:ラズモフスキーの最後を飾る3曲目は、最後にふさわしく「ハッピーエンド」な展開です。

まるでこのベートーヴェン:ラズモフスキーシリーズそのものが3楽章形式の壮大な音楽であり、ドラマであったとの感想を持つにいたります。

第1楽章 序奏:アンダンテ・コン・モート:アレグロ・ヴィヴァーチェ(歩くような速さで動きをつけて:快活に速く)

「堂々とした明るい系四重奏曲」の象徴とも言える開放的で力強い1曲です。

なんとも明るく前向きで、恐れひとつない明るさに満ちています。

グイグイとまた小気味良い元気になれる1曲でもあります。

 

第2楽章 アンダンテ・コン・モート・クアジ・アレグレット(歩くような速さで動きをつけて:やや速く)

第1楽章とは打って変わって暗くて重厚な1曲となっています。

ベートーヴェン:ラズモフスキー3番の全体を引き締めている、ある意味重要な楽章ですね。

重荷を背負っていく旅人のイメージを感じたりもします。

しかし、着実な確かな一歩一歩を耐えながら進んでいるようです。

 

第3楽章 メヌエット:グラツィオーソ(踊るように:優雅に)

歯切れのよい展開であり、第2楽章の暗くて重いイメージからは完全に離れています。

「舞曲風のノリ」の、明るい1曲でもありますね。

 

第4楽章 アレグロモルト(非常に速く)

第3楽章から切れ目なく展開する積極的で明るい1曲。

第1楽章の後の感情の波が上下しながらも展開してきたベートーヴェン:ラズモフスキー3番。

そして、なにより、ベートーヴェン:ラズモフスキーシリーズのフィナーレを飾る「超アップテンポな楽しい展開と性格をもつ素晴らしい名曲」と言えますね。 

 

【5種の名盤の感想と解説】ベートーヴェン:ラズモフスキー1番〜3番

アルバン・ベルク弦楽四重奏団

アルパカのおすすめ度★★★★★

【解説】 

水も漏らさぬほどの整ったアンサンブルが素晴らしい名盤です。

この完璧さからくる緊張感を楽しみたいときにおすすめです。

音のつややかさも聴きどころであり、ベートーヴェン:ラズモフスキー全曲を通して素晴らしい名盤です。

「青春」のハツラツとした輝き。

「情感」の深く心のうちに沈潜(ちんせん)する感覚。

「華々しさ」がおおらかに展開するさま。

その磨き抜かれた技術と精神は聴いていてしびれる名盤とも言えそうです。

 

アマデウス弦楽四重奏団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

アルバン・ベルク弦楽四重奏団のような完璧さのなかにも血の通った体温が感じられる名盤です。

ドイツ的伝統のある厚みの中にも重苦しいものは感じられず自由であり、なんとも言えないまろやかな響きも特徴のおすすめ名盤でもありますね。

その特徴はとくに第9番の華やかさに表れています。

決して目に差し込んでくる華やかさではなく、包み込まれるような品の良さのあるおすすめ名盤でもあります。

 

エマーソン弦楽四重奏団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

ふくよかな耳ざわりであたたかい名盤です。

晴れやかで、ほがらかな響きは、とくに第7番での演奏におすすめです。

少し行儀が良すぎる感じはありますが、真面目な表現のラズモフスキーで、聴いていて飽きの来ないところがいい名盤ですね。

また第8番の第2楽章は「情感たっぷり」であり、そこにエマーソン四重奏団のあたたかさが加わるのでこちらもおすすめです。

スメタナ四重奏団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

チェコの生んだ、牧歌的でありながら、たおやかな優しさに満ちたスメタナ四重奏団のおすすめ名盤です。

スメタナ四重奏団です、緻密で完璧なことは言わずもがなですが、ベートーヴェンの持つ重厚な印象も優しい歌に昇華していて心地いいです。

隠し味として、ほんの少し牧歌的要素を含ませたベートーヴェンもなかなかおすすめ。

そんな名盤ですね。 

 

ブダペスト弦楽四重奏団

アルパカのおすすめ度★★★★☆

【解説】

厳格さとピンと張りつめたアンサンブルはブダペスト弦楽四重奏団における独特の響きでありおすすめのポイントですね。

長く名盤の地位あり、今後もそれは変わることはない名盤なのだと思います。

奇をてらうことはありませんし、よくも悪くも「愚直にベートーヴェンの真意を追求する」「求道者における瞑想的透明感のある響き」とも言えそうな名盤です。

ぜひ一度、この研ぎ澄まされた精神性に触れられることをおすすめします。 

 

【解説と名盤、まとめ】ベートーヴェン:ラズモフスキー1番〜3番

ベートーヴェン:ラズモフスキー1番〜3番の解説と名盤のオススメは、いかがでしたか?

ベートーヴェン:ラズモフスキー1番〜3番の曲の持つ色鮮やかさはもちろん、有名なエピソードも印象的ですね。

  • 青春! 
  • 情感! 
  • 華々しい!

アルパカの感じるイメージも紹介しつつ解説してみました。

色んなイメージをもって聴くのもクラシック音楽の醍醐味でもありますね。

 

 そんなわけで…

 

『ひとつの曲で、

たくさんな、楽しみが満喫できる。

それが、クラシック音楽の、醍醐味ですよね。』

https://www.alpacablog.jp/entry/beethoven-razumovski

 
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ブッシュ弦楽四重奏団
Beethoven - Busch-Quartett – Späte Streichquartette Op. 127, 131, 132, 135 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fcyzVKJRBcQ&t=101s
 
 
バリリ四重奏団 ベートーヴェン弦楽四重奏曲 全曲

Beethoven - String Quartet No.1 - 9, Barylli Quartet




Beethoven - String Quartet No. 10 - 16, etc, Barylli Quartet



 
スメタナ四重奏団 ベートーヴェン弦楽四重奏曲 全曲

Beethoven: Complete String Quartets - Smetana Quartet 1976-85 (2020 24-bit Remaster)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLe1AzoE5dMrSsjxx7i-_Pe0_tIgT9Q6Em


 
 
 
 
ハンガリー四重奏団 ベートーヴェン弦楽四重奏曲 全曲

Beethoven - Complete String Quartets + Presentation (Century's recording : The Hungarian Quartet)



The Hungarian Quartet
1st violin : Zoltán Székely
2nd violin : Alexandre Moskowsky
Viola : Dénes Koromzay
Cello : Vilmos Palotai

Recorded in 1953
 
 
ブタペスト弦楽四重奏団 ベートーヴェン弦楽四重奏曲 全曲

L.V.Beethoven Complete String-Quartet Vol.1 (#1~#6) [ Budapest-SQ ]




【TIMING】
1. String-Quartet#1 (0:00)
2. String-Quartet#2 (27:28)
3. String-Quartet#3 (49:25)
4. String-Quartet#4 (1:10:47)
5. String-Quartet#5 (1:32:46)
6. String-Quartet#6 (1:59:18)


L.Beethoven Complete String-Quartet Vol.2 (#7~#12) [ Budapest SQ ]




【TIMING】
1. String-Quartet#7 "Rasumowsky#1" (0:00)
2. String-Quartet#8 "Rasumowsky#2" (38:33)
3. String-Quartet#9 "Rasumowsky#3" (1:11:22)
4. String-Quartet#10 "Harp" (1:41:10)
5. String-Quartet#11 "Serioso" (2:10:31)
6. String-Quartet#12 (2:32:15)


L.V.Beethoven Complete String-Quartet Vol.3 (#13~#16,Grosse Fuge) [ Budapest-SQ ]




【TIMING】
1. String-Quartet#13 (0:00)
2. String-Quartet#14 (35:55)
3. String-Quartet#15 (1:14:41)
4. String-Quartet#16 (1:58:29)
5. String-Quartet "Grosse Fuge" (2:23:03)
 
 
  
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ベートーヴェン室内楽曲の評価

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3

 

弦楽四重奏曲

初期の弦楽四重奏曲

2楽章の歌心あふれた悲しい出来事を直截に表したような音楽が非常に印象的。しかし他の楽章は、典型的な快活だが面白くない初期ベートーベンの音楽。

 

モーツァルトのような均整とハイドンのような端正な快活さを併せ持っている。しかしながら、フレーズに聴いていて愉しいような魅力が足りないと感じる。

 

全体的に普通の曲であり、さしたる特徴がない。アダージョや最終楽章など耳を楽しませる音楽ではある。

 

悲愴ソナタと同様に同時代の同ジャンルの中でずば抜けた内容である。発想の豊かさ、響きの充実、内容の豊富さはいずれも中期の曲に匹敵する。ただし意外なことに彼のハ短調の曲らしさはあまりない。

 

1、2、3楽章は充実した内容である。二楽章の内容の豊富さや三楽章の若干複雑なリズムなど工夫や創意が楽しめる。四楽章の序奏はいけていない駄作だと思う。

 

優雅で古典的な美しさに溢れている。2楽章は特に貴族のような上品な優美さであり印象的だが、他の楽章も同様に上品であり、しかも堂々として充実した内容である。4楽章の冒頭に悲しみに打ちひしがれたような序奏があるのも効果的。

 

中期の弦楽四重奏曲

それ以前の弦楽四重奏2~3曲分の内容はありそうな巨大な曲。チェロのイントロのフレーズの感じさせる広大さからして、胸の膨らむようなワクワクさせる素晴らしさである。三楽章の悲しみ、最後のロシア主題の絡みつく声部の魅力まで、各楽章が実に幅広くて圧倒的に巨大であり、それが4つの楽章もあるのだから、たまらない。画期的な壮大さの点で交響曲3番を連想する。

 

同じラズモフスキーでも二番はサイズも内容も小ぶりな曲。音の充実や絡み合い方は素晴らしいものの、聴後に残る印象は強烈なものではない。

 

一楽章の英雄的な力強さは魅力的。二楽章は静かで淡々としすぎて、明快な良さに欠けると思う。三楽章は小さな曲。四楽章は非常に力強くてスピード感あふれる立派な素晴らしい曲である。

 

ラズモフスキーほどの衝撃的な密度ではないかもしれないが、音楽が力強く構成力も同等の内容と思う。ハープの愛称だが、優美で女性的というわけでなく非常に男性的な曲。三楽章まで素晴らしいが最終楽章がいまいち。

 

一切の冗長性を排した凝縮された音楽であるとともに、生真面目で文字通り厳粛な作品。すべての楽章が聴き映えする傑作である。曲の構成のバランスが完全に計算されていることや、圧倒的に劇的で密度の高い点は、交響曲5番を彷彿とさせる。

 

後期の弦楽四重奏曲

二楽章のアダージョは後期らしい変奏曲の大作で大変素晴らしく、長い曲だがずっと聞き入ってしまう。一楽章や四楽章も重厚でなかなかよい。

 

自分の修行が足らないのかもしれないが一楽章から四楽章までは平凡な面白くない音楽だと思う。五楽章は幻想世界の深層世界を彷徨うような美しく素晴らしい曲。その後は大フーガでなければ風呂敷を広げたままになりバランスが悪い平凡な曲になってしまうと思う。新しい方の最終楽章も悪くはないのだが。

 

各楽章のバランスが良く推進力があり、後期によくある停滞しているような楽章がない。間奏曲的な楽章も内容が豊かである。その代わり後期作品によくあるアダージョの決定的な大傑作楽章はない。自由闊達な構成で曲を把握するのに時間がかかる変わった曲だが、構成を覚えて理解出来るようになると、胸に迫るような熱く温かい真情に曲全体が溢れていることが分かり、感銘を受ける。晩年になって到達した世界は、あまりにも画期的で驚く。

 

クライマックスの3楽章が感動的で泣ける。なんという感謝の心に満ちた音楽だろう。その他の楽章はどれも中期のような緊密さを保持している濃厚な内容であり、聴きやすい。

 

単体で聞くと、気が狂ったのかと思ってしまうような狂気に満ちている。聴いていて楽しい曲ではない。

 

爽やかな一楽章、ユーモアがある二楽章は、初期に戻ったかのようなシンプルで快活な音楽でここまでは普通の曲である。三楽章が濃厚で胸に迫りくるものがある、人生を振り返るかのような後期の実力をいかんなく発揮した美しいアダージョ。四楽章の序奏も、人生において闘い問い続けたベートーベンの人生を総括してるかのよう。アレグロもどこか感動的なエモーショナルなものがある。しかし、曲の最後まで勢いを保たず力尽きてきてしまい、なんとか最後の力で曲を締めくくって終わるのがなんとも印象的。



ピアノ三重奏曲

娯楽作品の印象が強い。そしてまったりしすぎであまり面白くない。

 

1番と同様の印象。爽やかではあるが面白くない。

 

1、2番と比較して少し成長している気がする。1楽章に少し充実感があるし、他の楽章も多少見所がある。

 

1楽章はメロディーがつまらないため魅力がない。2楽章は楽器に存分に歌わせる楽章で、高い価値があるのはこの楽章のみである。3楽章は1楽章ほどではないがあまり魅力がない。

 

1楽章は冒頭のいきなりのユニゾンに驚かされるが、それ以外は面白くない。2楽章は痛切な感情を押し殺しているようなじわじわとした雰囲気で少し面白い。3楽章は活気ある雰囲気でそれなりに楽しめる。

 

1楽章は叙情的ではあるがぱっとしない感じで面白くない。2楽章も3楽章も4楽章もベートーヴェン中期らしからぬ平凡さであり、まるで2流作曲家のようだ。全体にベートーヴェン中期の作品にしては駄作だと思う。同時期ならフンメルのピアノ三重奏曲の方が優れているかもしれない。

 

古今の室内楽を代表する一曲だろう。親しみやすさ、旋律の豊かさ、しなやかさ、漂う高貴な気品がすばらしい。規模が大きく雄大であり、ゆったりとした時間の流れを楽しめる。爽やかな風のような心地よい気分になれる曲でありながら、しかし濃密な時間が流れる。構成はがっしりとしていて手応え十分である。

 

弦楽三重奏曲

  • 弦楽三重奏曲第1番 変ホ長調 Op.3(1794年)
    • 3.0点
ベートーヴェンらしい高潔さと力強さを感じられる。初期の室内楽の中では単なる娯楽性に終わらない芸術性を感じる作品となっている。

 

後年の成長の萌芽が沢山秘められている曲だが、冗長であるとともに、三重奏の音の薄さが気になってしまう。弦楽四重奏の作曲の練習に書いたという価値しか見いだせないと思ってしまう。二楽章の歌心あふれる音楽はなかなか良いのだが。

 

感想は2番とほぼ同様だが、短調の2楽章が効果的なのと、ベートーヴェンらしい3楽章のメヌエットや活発な4楽章も悪くないので少し上だと思う。

 

前半の2楽章はなかなか立派な曲。後半は物足りないのだが、初期らしい爽やかさと、一生懸命頑張っている感じは悪くない。

 

  • 弦楽三重奏のためのセレナード ニ長調 Op.8(1797年)
    • 2.5点
娯楽作品であり、曲はバラエティーに富んでいる。また、弦が3本しか無いが、音が薄いことへの不満は無い。しかし、自分の聴いた演奏のせいなのかもしれないがあと一歩の何かが足らない。

 

弦楽五重奏曲

作品103の8重奏を編曲したもの。穏やかな雰囲気で落ち着いて聴ける曲だが、初期過ぎて発想も音の使い方も個性が無く、凡庸で面白くない。

 

  • 弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.29(1801年)
    • 3.5点
初期の弦楽四重奏曲より優れているのに、聴かれる事が少ないのはもったいない。堂々とした巨匠の香りが漂う作品であり、2楽章のピチカートに乗ったとろけるようなメロディーの部分など魅力的な箇所が多くある。

 

  • 弦楽五重奏曲(フーガ)ニ長調 Op.137(1817年)
    • 2.0点
弦楽五重奏のためのフーガ。2分の短い曲であり内容もありきたりに聞こえた。特に感想を持てるほどの作品ではない。

 

その他の室内楽

悪い曲ではなく、くつろいだ気分で管楽器の合奏をまったりと楽しめるのだが、ベートーヴェン作品に求めたい優秀さがほとんど感じ取れない。平凡な作曲家の作品のような印象。

 

  • 六重奏曲 変ホ長調 Op.81b(2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、2つのホルン)(1795年)
    • 3.0点
ホルンの響きと合奏を楽しむことは出来るが、あまり弦楽四重奏との絡みを楽しめないし、ホルンパートの魅力も今一歩で、ベートーヴェンの管楽器入りの合奏曲の中ではいまいちな部類である。

 

3本の管楽器のアンサンブルの爽やかな美しさを楽しめる。曲は取り立てて優れている訳ではないが、初期ベートーヴェンらしい気品と清々しさとセンスは活かされている。

 

  • ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16(1796年)
    • 3.3点
2楽章が管楽器らしい音の温かさを生かした美しいかんじょ楽章で素晴らしい。1,3楽章は管楽器の合奏を楽しむ娯楽作品であり、優秀ではあるが名作というほどではない。

 

まだベートーヴェンらしさがあまり感じられない。娯楽作品だが、管楽器の合奏曲として、耳に優しく優美で温もりのある響きと音色や楽器の絡みを案外楽しむことが出来る。

 

  • 6つのドイツ舞曲(アルマンド)WoO.42(ヴァイオリン、ピアノ)(1796年)

 

全2楽章の短い曲。1楽章はコンパクトなソナタでメロディーに魅力ある。2楽章はあまり面白くない。

 

大編成であり、オーケストラ並みの声部数と重奏の楽しさを味わえる。どの楽章もセンス満点で心から楽しめる名作。娯楽性の高い作品でありながらベートーヴェンの天才を存分に味わえるのが新鮮。

 

1楽章はまさに初期らしい内容で、すっきりとした爽やかで快活なソナタ。2楽章は短くて間奏曲の役割。3楽章は伸びやかなロンド。あまり話題に挙がらない曲だがホルンの魅力とあいまってかなり魅力的。聴後にすがすがしい印象を残す作品である。

 

  • フルート、ヴァイオリン、ヴィオラのためのセレナード ニ長調 Op.25(1801年)
    • 2.5点
娯楽的なセレナード。特殊構成であり、フルートの明るさを楽しめるものの、低音が無いためフワフワとした音響。作曲者の気合いをあまり感じず面白くないが、長い4楽章と6楽章は割と優れている。

 

  • ピアノとフルートのためのセレナード ニ長調 Op.41(1803年)
    • 2.5点
作品25を他人が編曲しベートーベンは校訂だけをしたそうだ。こちらの方が楽器構成としては親しみやすいが、編曲がいけてない。ただ、4、6楽章がやはり優れているのは作品25と同様である。

 

  • 四手のための3つの行進曲 Op.45(1803年)

 

弦楽三重奏曲op8の他人による編曲。編曲はなかなか優秀で、音が薄くてピアニスティックでないものの、十分に曲を楽しめる。

 

  • フルートまたはバイオリンの伴奏を持つピアノのための6つの主題と変奏 Op.105(1817年)
    • 2.5点
シンプルな変奏曲集。フルート学習者には良さそうだが、一般的な鑑賞にはあまり向かない。民謡が主題なので親しみやすく聴きやすい曲もある。

 

  • フルートまたはバイオリンの伴奏を持つピアノのための10の主題と変奏 Op.107(1820年
    • 3.3点
作品105と同様の小さな変奏曲集だが、主題の魅力も変奏の自然さ音楽の美しさは作品105よりかなり上であり、民謡の主題の素朴な楽しさもあって何度も聞いてみたい曲になっている。

 

  • 大フーガ(Op.133を四手のために編曲)Op.134(1826年)
    • 3.0点
大フーガのピアノ用編曲だが、やはりこちらよりも元の弦楽の方が声部の聞き取りが容易でテーマの力強さがいかされるので良いと思う。このピアノ版の方がマイルドで耳に痛くないので最後まで簡単に気楽に聴き通せる利点はある。