宗教音楽の名作を聴こう _ トマス・ルイス・デ・ビクトリア『死者のためのミサ曲』

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トマス・ルイス・デ・ビクトリア Tomás Luis de Victoria (スペイン アビラ 1548 - 1611)
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1600年頃の大改革以前のヨーロッパ音楽は、無伴奏の合唱が主体で正直言って初心者には違いがよく分からない。
しかし、ビクトリアははっきり違うことがすぐに分かる。神秘的で輝かしく、強い祈りの気持ちが現代人の耳にもよく伝わる。


死者のためのミサ曲
4.5点
ビクトリアの代表作。作曲家のところの説明で書いたとおり、神秘的で輝かしく、強烈な祈りの感情に圧倒される。https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3

 

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トマス・ルイス・デ・ビクトリア『死者のためのミサ曲』

 

The Tallis Scholars - Requiem Officium Defunctorum (T.L. de Victoria (1548-1611))

 

* Requiem
* Taedet Animan Meam
* Introitus. Requiem Aeternam
* Kyrie
* Graduale. Requiem Aeternam
* Offertorium. Domine, Iesu Christe
* Sanctus & Benedictus
* Agnus Dei I, II & III
* Communio. Lux Aeterna
* Funeral Motet: Versa Est In Iuctum
* Responsory: Libera Me, Domine


Alonso Lobo
* Versa Est In Iuctum


– Deborah Roberts, soprano
- Ruth Holton, soprano
- Sally Dunkley, soprano
- Tessa Bonner, soprano
– Caroline Trevor, alto
- Robert Harre-Jones, alto
– Charles Daniels, tenor
- Mark Padmore, tenor
- Nicolas Robertson, tenor
- Simon Davies, tenor
– Donald Greig, bass
- Francis Steele, bass


The Tallis Scholars
Peter Phillips

 

 

Tomás Luis Victoria: Requiem - Missa pro defunctis | Peter Phillips & Tallis Scholars


00:00 - Taedet animam meam (motet)

03:29 - Introit
09:17 - Kyrie
11:49 - Gradual
14:41 - Offertory
19:10 - Sanctus
21:58 - Agnus Dei
24:21 - Communion

28:14 - Versa est in luctum cithara mea (motet)

The absolution:

31:45 - Libera me (responsory)
36:56 - Kyrie

Tallis Scholars
Conducted by Peter Phillips
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Oedipus Coloneus, 2022

 

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T.L.de.ヴィクトリア : 作品集(1)/レクイエム  2020/03/04

 
「レクイエム」は人々にとって特別な意味を持つ音楽であり、多くの作曲家がその音楽家人生の全てを捧げて取り組んできたものであると思っています。
 
私にはそれぞれの時代様式毎に「レクイエム」の好きな作品があります。
それを記すと下記のようになります。
 
・フランドル楽派初期、ルネサンス初期ではJ.オケゲム(1425頃-90)によるもの。
・古典派様式ではW.A.モーツァルト(1756-91)によるもの。
・ロマン派様式ではJ.ブラームス(1833-97)の「ドイツ・レクイエム
・近・現代ではG.フォーレ(1845-1924)によるもの。
であると感じています。
 
そして
ルネサンス後期-バロック初期を代表する最も美しい「レクイエム」だと信じているのが、今回のT.L.de.ヴィクトリアによるものなのです。
 
他に以前記したH.I.F.ビーバーによるもの、G.F.F.ヴェルディ、M.L.ケルビーニによる2つのレクイエム、B.ブリテン「戦争レクイエム」等も好きです、それでも各様式毎に於いてのベストを選ぶとの条件を付ければ上記の作品は揺るがぬ私の中のベストとなっています。
 
Tomás Luis de Victoria(伊)
Tommaso Luigi da Vittoria(西) (1548頃-1611)
ローマに出てG.P.パレストリーナに学んだとされる。
ローマ楽派の様式にスペインの神秘主義を結び付けたルネサンス末期の教会音楽作曲家。
後半生はスペインで活躍したとあります。
(引用 以下同じ : クラシック音楽作品名辞典/三省堂)
 
輸入CDでは中々分からないのですが、辞典によると1605年刊/マドリードのこの作品は「死者のための聖務日課」Officium defunctorumという4つの部分から成り立つ作品集で、「レクイエム」はその第1を指すようです。
 
このCDにはそれら4つが全て納められているので最初に記しておきたいと思います。

 

<<「死者のための聖務日課」Officium defunctorum >>

 
1.死者のためのミサ(レクイエム) Missa pro defunctis(6声)
レクイエム : Introitus (Requiem aeternam)
レクイエム : Kyrie
レクイエム : Graduale (Requiem aeternam)
レクイエム : Offertorium (Domine, Jesu Christe)
レクイエム : Sanctus & Benedictus
レクイエム : Agnus Dei I, II, & III
レクイエム : Communio (Lux aeterna)
 
*レクイエムは神聖ローマ帝国、スペイン国王カルロスⅠ世の妃(皇太后)マリアの死を悼む曲として1603年に作曲されました。
 
2.モテット :「悲しみのうちに引き戻されて」Versa est in luctum(6声) *(CDには[モテット「わがハープは悲しみの音に変わり」]と表記)
 
3.レスポンソリウム :「主よ、われを解き放ち給え」Responsorium "Libera me"(6声) *(CDには[レスポンソリウム「主よ,我を解き放ち給え」 Responsory (Libera me, Domine]と表記)
 
4.レクチオ :「わが魂は倦みて」Lectio "Taedet animam"(4声) *(CDには[レクチオ「わが心は生活に疲れたり」 Taedet animam meam]と表記) 

 
*タリス・スコラーズは上記を4・1・2・3の順でCDに収録しています。
そしてCDの最後に2.のモテットと同名曲の他の作曲家A.Loboによる作品も収録しているという徹底ぶりが、その作品の熟考された並び順の素晴らしさと共に学術的な価値も際立つ名盤となったのだと信じています。
 

 
 
タリス・スコラーズ/ヴィクトリア作品 1
ピーター・フィリップス指揮/タリス・スコラーズ (℗1987)
 
ヴィクトリアの「レクイエム」で最も強く感じる事、それはとにかくメロディーが美しいという事です。
 
そして各声部が集まった時に金管のファンファーレのように明るく鳴り響く(という表現がピッタリな)のですが、もうそこだけで感動してしまう程の響きの美しさを持つのです。
 
これは実際聴かないと伝えきれるものではありませんが、天啓を受けたかのように心に深く刻まれてしまう、この世のものではない神聖な響きを放ちます。
 
そして、この「レクイエム」が響き渡る前に置かれた本来は上記4.にあたるレクチオ「わが心は生活に疲れたり」の物静かで悲しい部分から開始されるので、そのファンファーレのような"Introitus"が鳴り響いた時の効果は筆舌に尽くしがたい美しさが後光を放って炸裂するのです。
 
レクイエム2曲目の"Kyrie"がこんなに心穏やかに明るく優しいものになっているのもヴィクトリアの「レクイエム」の特徴でしょうか。
 
あの救い多いフォーレのレクイエムでさえ、最初の部分は重く悲しいものなのですから、このレクイエムの特異性と安らぎが何とも言えないものである事が是非伝わればと願ってやみません。
 
その残された者の心を優しく癒すために創られたかのような特異なレクイエムの後に2番目の"モテット「わがハープは悲しみの音に変わり」"が置かれ、この作品全体が死者を悼むものである事が再び印象付けられるようです。
 
それは、それまで忘れていた大切な人の想いが後になって段々と思い出されてくる悲しさを表すようで、これは事実である事から余計心に響いて来ます。
 
そして最大の美点、第4曲にレスポンソリウム「主よ,我を解き放ち給え」を持ってくる事で、その悲しみからの解放を願い、新たな一歩を歩み始める微かな後押しを願うかのように締めくくられるのです。
 
レクチオ - レクイエム - モテット - レスポンソリウムと続けられる、タリス・スコラーズのこの構成の素晴らしさもまた天啓を受けたかのように思えてなりません。
 
ヴィクトリアの「レクイエム」は飛び切り美しいですが、単に美しいだけではなく、そこには人間の持つ宿命という避けることの出来ない事柄に優しい癒しをもって対峙する特異なものとし、他の3曲で悲しみ、それからの解放というものまでも全て込めた"「死者のための(そして残された者のための)聖務日課」"という一綴りにまとめ上げた事が素晴らしいのではないでしょうか。

 

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トマス・ルイス・デ・ビクトリア - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2

 

トマス・ルイス・デ・ビクトリア

 

トマス・ルイス・デ・ビクトリア(Tomás Luis de Victoria, 1548年 アビラ - 1611年8月27日)は、黄金世紀スペインの生んだルネサンス音楽最大の作曲家の一人。16世紀スペインの作曲家では最も有名であり、多くの人からパレストリーナに次ぐポリフォニック教会音楽の大家と見なされている。

生涯

少年期にセゴビアバルトロメー・デ・エスコベドに学んだらしい。1564年頃にローマに行き、イエズス会の会士となった。この頃にパレストリーナに師事したようだが、これについては状況証拠しか残っていない。とはいえビクトリアがパレストリーナの様式に影響されているのは確かである。ビクトリアはイエズス会修道院で一連の楽長職を務めたのち、1575年司祭として叙階された。

 

しかしながらイタリアに逗留することなく、1586年になるとスペインに帰国、今度は、マドリッドのデスカルサス・レアレス女子修道会の一員となった皇太后マリアに奉職することになる。ビクトリアは終生にわたってこの修道会にとどまり、司祭・作曲家・合唱指揮者・オルガニストなど、数々の役割をこなした。皇太后マリアは神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン2世の妃であり、スペインフェリペ2世の妹だった人物である。

 

ビクトリアは対抗改革期のスペインで最も重要な作曲家であり、後期ルネサンス においては最もすぐれた宗教音楽の作曲家である。ビクトリアの作品は20世紀に復活を遂げ、近年たくさんの録音が制作されている。数多くの評者がビクトリア作品に、神秘的な烈しさと、直接に感情に訴えかけてくる特質を認めている。これらの特徴は、見方によっては、ビクトリアの偉大な同時代のイタリア人、パレストリーナの作品には見当たらない。パレストリーナ作品は、技術的には申し分ないが、情緒的には超然としているからである。

 

様式的に見るとビクトリア作品は、多くの同時代の作曲家と同様の凝った対位法は遠ざけて、単純な旋律線とホモフォニックテクスチュアを好んでいるが、それでもなお多種多彩なリズムの変化や、時に驚くほどの明暗の対比を内に秘めている。旋律の書法や不協和音の扱いはパレストリーナよりもずっと自由である。ビクトリアは随所で、16世紀の厳格対位法では禁則とされていた音程、たとえば上行する長6度音程を用いた。あるいはモテット《聖なるマリアよ、顧みたまえ Sancta Maria, succurre》において、旋律中の嘆きを表す楽句に臨時記号のついた減4度音程をさえ使っている。ビクトリアは時どき、通常はマドリガーレに使われるような音画技法も利用した。ビクトリアの宗教曲のいくつかは器楽も用いており(16世紀スペインの宗教曲には異例の慣習)、さらには、ヴェネツィアサン・マルコ大聖堂につとめるヴェネツィア楽派の作曲家がしたように、分割合唱のための作品も残した。

 

ビクトリアの最も美しく、かつ最も洗練された作品の一つが、かの偉大な「死者のためのミサ曲」である。この作品は、1586年以来ビクトリアの主人であった皇太后マリアの葬礼のために作曲された。

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