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歌曲の名曲を聴こう _ モーツァルト『歌曲 夕べの想い K.523』、『歌曲 クローエに K.524』

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モーツァルト名曲集
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モーツァルト『歌曲 夕べの想い K.523』


Erika Köth; "Abendempfindung"; Wolfgang Amadeus Mozart

 



Erika Köth--soprano
Günther Seissenborn--piano
1966

 

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アメリンク

Elly Ameling; "Abendempfindung"; Wolfgang Amadeus Mozart






Elly Ameling--soprano
Jörg Demus-piano
1970


Mozart: Abendempfindung, K.523











Elly Ameling
Dalton Baldwin
℗ 1978 Universal International Music B.V.


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夕暮れがやってきて 太陽は沈んだ
月が銀色の輝きを放つ
こうして人生の最も美しい時刻が消えてゆく
束の間の踊りの中を通り過ぎてゆくように


やがて人生の色とりどりの情景は消えて
幕が下ろされる
僕らの芝居はおわり、
そして、友達の涙が僕の墓の上に零れる


おそらく、間もなく、柔らかな西風のように
ひそやかな予感が吹き寄せてきて
僕の人生の巡礼の旅が終わり
安らぎの国へと飛んでいくだろう


君たちは僕の墓の上に涙を注ぎ
哀悼の気持ちで僕を見る
その時こそ、おお友よ、僕は君たちの前に現れて
天上の息吹を君たちに伝えるだろう


君も僕に涙の一滴の贈り物をして
菫を置いてくれ
そして、心のこもった眼差しで
優しく僕を見下ろしてくれ


清めの涙を僕に注いでくれ
恥ずかしがらずに清めてほしい
その涙は、僕の王冠の飾り中でも
一番美しい真珠になるだろう

 


歌曲「夕べの想い」K523
作曲年代 1787年6月24日、ウィーン。
演奏時間 5分。


 1787年6月24日には、モーツァルトの最も代表的な歌曲2曲が生まれた。「タベの想い」と「クローエに」であり、ともに1789年にアルターリア社から出版された。作詞者としてはカンペ(1746-1818)の名があがっているが、新全集では不明となっている。しかし、詩の出典は明らかで、1781年に出た「詩人手稿集」第1集に含まれている。人生の終末を歌ったきわめてメランコリックな内容の詩だが、この曲より2ヵ月半前に父の病気の報せを受けてしたためた書簡(4月4日、父への最後の書簡)に「死は、ぼくたちの生の真の最終目的でありますから、ぼくは、この人間の真実で最良の友と、数年来、非常に親しくなっています」とあり、このころのモーツァルトが死をめぐる想念にとりつかれていたことを物語っている。


 詩は6節からなるが、モーツァルトはそれを通作形式でまとめている。歌唱声部の穏やかで甘美な旋律に対して、伴奏部にはほとんどいつもたゆとう波のような分散和音形がみられ、深い哀愁の情が表現されている。最終節は第1節を想起させる音形に戻っている。旧全集ではアンダンテ、へ長調、4分の4拍子となっているが、新全集では初版にならい、2分の2拍子をとっている。


〔歌詞大意〕夕べがきた。太陽は沈み、月が銀光を放つ。そして人生の美しいときが過ぎ去っていく。友の涙が私たちの墓の上に注がれる。私は人生の旅を終え、やすらぎの国へ飛んでゆくが、あなた方が私の墓に涙を流すとき、あなた方を天国へ吹き送ってあげよう。私に涙を送り、やさしい眼差しをなげかけてくれれば、涙は私の王冠のなかの真珠となろう。
http://www.mirai.ne.jp/~nal/mozart_K523.htm

 

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モーツァルト『歌曲 クローエに K.524』


An Chloe, K.524



An Chloe, K. 524 · Elly Ameling/Jörg Demus

 


W A Mozart An Chloe, K 524 Elly Ameling & Dalton Baldwin, 1977


 


 



Elly Ameling · Dalton Baldwin

 

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Lotte Lehmann_ W.A.Mozart ”An Chloe” K 524_17.Oct.1935




1935年10月17日、つまり今からちょうど87年前の今日録音されたドイツ・リート集がある。
その主役はドイツ・オーストリア系オペラ、そしてリートの両分野で「史上最高のソプラノ」と称されるロッテ・レーマン(1888-1976)。モーツァルトシューベルトシューマンブラームス、ヴァルフのという、ドイツ・リートの輝かしい時代を振り返るような11曲がこの日一気に録音されている。ピアノはエルネ・バログ。

1935年と言えば、1920年代以降、ドイツ・ベルリン国立歌劇場を本拠にし、まさにドイツのソプラノ・リリコ、スピントとして大絶賛を浴びたレーマンが、ナチスを嫌ってアメリカへ渡る3年前にあたり、ドイツが、そしてヨーロッパがナチスによって堕落していき、この大陸が黄昏を迎えつつあった時期である。

その時代性とどう関係しているのかは定かではないが、ここに聴かれる整然としながらも気持ちが良く乗ったレーマンの歌は、まさにドイツ・リートの神髄を思わせる。ドイツ語の発音もとてもきれいだ。

手元にはこの11曲を5枚の10inch5枚に収めた米Victor盤のセットもあるが、今回は英HMVとしては1枚しかない10inch、このセットの最初の1枚であるモーツァルト2曲の中から『クローエに寄す』K.524をお届する。

レーマンは78rpm時代の歌手として、恐らく最も録音を残しているソプラノで、現在ではそのほとんどがCDや配信音源として復刻されている。
その意味では今でもレーマンの歌に触れることは極めて容易だ。
ところが残念ながら復刻音源の音質は必ずしもいいとは言えない、78rpmの音の良さを却ってなくしてしまうような電気的処理、ノイズ削除処理が行われ、音楽と彼女の声を正確に伝えているとは言い難い。

気軽にロッテ・レーマンに触れられることはよいことだが、その一方で不正確な情報が残されていくことにも問題があるように思う。
クレデンザ蓄音機で彼女の歌の本質に触れていただければ幸いである。

 

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歌曲 「クローエに」 K.524
Allegretto 変ホ長調 2分の2
〔編成〕 p伴奏
〔作曲〕 1787年6月24日 ウィーン

ヤコビ(Johann Georg Jacobi, 1740-1814)詞。 原詩は13節あるが、その最初の4節が用いられている。


音楽史上のさまざまな奇蹟に満ちた35年間は、どの年においても後世の我々を惹き付けてやまないドラマがあるが、中でも1787年は不思議な魅力を持っている。 その中心となるのは何よりも、この年の5月28日に父レオポルトが他界したことであろう。 この1787年モーツァルトの歌曲の年とも呼ばれ、9曲もの歌曲が作られているが、父の死の直後に(6月24日)作られた2曲『夕べの想い K.523』と『クローエに K.524』にはどうしても父親に対する作曲者の胸のうちを読み取ろうとしがちである。 しかしオカールは言う、「彼の作品目録のなかに、彼に衝撃をあたえたその死別への直接の反応を表わした作品がないかと捜してもむだである」と。


この歌曲が書かれた動機はわからない。 ゴットフリート・ジャカンなどの仲間うちで歌う目的だったのか。 歌詞の展開に従って音楽が明るい曲想に包まれつつロンド形式のように進行し、


テクスト付きのピアノ・ロンディーノである。 非常に魅惑的だが決してリートではない。
アインシュタイン] p.515


と評されている。 礒山は「歌曲は演劇的発想の結実」という見方からすると、1787年の歌曲群に「ドラマ的な趣向」があることを指摘し、その中でこの『クローエに』では
あたかも目に見えるかのような情景を描いて進行する。 それはちょうど、『後宮からの誘拐』におけるベルモンテのアリア「コンスタンツェよ」を思わせる。
[礒山] p.128
と言う。 そして作曲者のユーモアが次のように仕掛けられていると続けている。 引用が長くなるが、非常に興味深い見方であるので紹介したい。 ただし同書では楽譜も載っているが、それは割愛する。


たとえば第2節、「(抱きしめる)この腕の中に!」は3回にわたってくりかえされ、三度目にはフェルマータで強調されて、喜劇の一シーンのよう。 『コシ・ファン・トゥッテ』におけるアルバニア人の大げさな求愛の情景が浮かんでくる。 ここはぜひ、おかしみを歌いださなくてはならないところだ。


第3節、「死んでいく sterbend」の文字通りくずおれて倒れ伏すかのような描き方、第4節「酔い痴れた視線」のフワウワ泳ぐような描き方も面白いが、圧巻は、最後の2行でやってくる。 「ぐったりして ermattet」は、短いモチーフを三度、その都度音を下げながらくりかえし、女性の傍らに座りこむ男を描く。 ここからひと呼吸置いたタイミングで「しかし幸福に aber selig」のおおらかな旋律が湧きあがる効果は卓抜だ。 それはくりかえされ、狂気乱舞へと達し、最後しみじみとした「君のそばで neben dir」のフレーズにいたって終わる。


私は、このくだりでモーツァルトが、セックスの体験を暗示的に、いや、ほとんど赤裸々に音楽にしたにちがいないと思う。 この「ぐったりして」のユーモラスな表現は、そのほかには考えられない。 思うにこれは、友人仲間で、大受けをしたのではないだろうか。 ひたすら可憐な少女を思い浮かべ、ただただ美しく歌ったのでは、この作品の面白さが半分も発揮されないことは、強調しておきたいと思う。
1789年に姉妹作の『夕べの想い』とともにウィーンのアルタリアから出版され、すぐ人々に愛唱されたという。


〔歌詞〕
Wenn die Lieb'aus deinen blauen,
Hellen, off'nen Augen sieht,
Und vor Lust, hinein zu schauen,
Mir's im Herzen klopft und glüht;


愛の姿がお前の青い
明るい、開いた瞳から見えるとき、
それを覗き込みたいばかりに
ぼくの心はときめき、燃え立つ。


Und ich halte dich und küsse
Deine Rosenwangen warm,
Liebes Mädchen, und ich schließe
Zitternd dich in meinen Arm!


そしてぼくはお前を抱いて接吻する、
お前のばら色の頬に、温かく。
いとしい娘よ、ぼくは抱きしめる、
震えながらお前を、この腕の中に!


Mädchen, Mädchen, und ich drücke
Dich an meinen Busen fest
Der im letzten Augenblicke
Sterbend nur dich von sich läßt


娘よ、娘よ、ぼくは押しつける
お前をこの胸にしっかりと
この胸は、臨終の瞬間に
やっとお前を離して、死んでいくのだ。


Den berauschten Blick umschattet
Eine düst're Wolke mir
Und ich sitze dann ermattet
Aber selig neben dir.


ぼくの酔い痴れた視線を包むのは
薄暗い雲。
それからぼくは座る、ぐったりして、
しかし幸福に、君のそばで。


礒山雅訳 [礒山] p.127

http://www.marimo.or.jp/~chezy/mozart/op5/k524.html

 

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レチタティーヴォ「うるわしのわが恋人よ、さようなら」とアリア「とどまって、いとしき人よ」 K. 528

 

メンゲルベルク

Mengelberg - Ria Ginster (Sop.) - Mozart : Bella mia fiamma, addio... Resta, oh cara, K. 528 (1942)


Ria Ginster (Soprano, 1898 - 1985)
Willem Mengelberg cond. Amsterdam Concertgebouw Orch.
recorded March 5, 1942 - Live

Bella mia fiamma, addio!
Non piacque al cielo
di renderci felici.
. . . 私の麗しい恋人よ、さようなら。
私たちが幸せになるのを
天はお望みにならなかったのだ。
・・・
Resta, oh cara, oh cara!
Acerba morte mi separa,
oh Dio! da te
Prendi cura di sua sorte,
consolarla almen procura.
. . . とどまって下さい、ああ、いとしい人よ、
苦しい死が、ああ神よ!
そなたから私を引き離すのです。
その定めに気をつかい、
せめて慰めてやって下さい。
・・・