宗教音楽の名作を聴こう _ リリ・ブーランジェ『詩篇 第130番』、『ピエ・イエズ』

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リリ・ブーランジェ Marie-Juliette Olga Lili Boulanger(フランス パリ 1893 - 1918)
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クラシック音楽の作曲家の主要作品とその評価
クラシック音楽 一口感想メモ
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クラシック音楽の感想メモを書いています。
主要作曲家の主要な器楽曲全ての感想を書くことを目標にしています!

 

リリ・ブーランジェの評価

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20世紀の作曲家で、ここまで心に強く訴えるもののある作曲家を私は知らない。私の知る限り女性作曲家の中でももっとも優れているし、それどころか20世紀になってから活躍した作曲家の中でももっとも優れた作曲家の一人だと思う。

 

前半はオーケストレーションが簡素すぎるきらいはあるものの、ゆったりとした美しい叙情に身をひたす楽しみがある。ワーグナーのようであり広大で空気感のある甘美な音楽である。後半はプッチーニのように情熱的でロマンティックを突き詰めた甘美さの音楽になる。このようにオペラ的な劇的さを30分に詰め込んだ作品であり、どちらもエンターテイメント的な楽しみを感じさせる。長く生きればフランスを代表するオペラ作曲家になれただろうと思わせる。

 

  • 交響詩<哀しみの夜にD'un soir triste>(1917年~18年)
    • 2.8点
間奏的な曲。大きく盛り上がらず、重厚で重たい夜の雰囲気だけをずっと奏でて終わる。先を期待させるも、大きな変化や天才的な閃きを見せずに終わる。雰囲気は好きだがこれだけで10分は長い。

 

  • ヴァイオリン(またはフルート)とピアノのための<春の朝にD'un matin de printemps>(1917年~18年)
    • 3.0点
ドビュッシーの作品のようだ。印象派的な音の使い方の美しさが魅力の小品。4分とは思えないほど、みっちりと展開が詰まっている。巨匠的とまでは若書き感の残る作品だが、その新鮮で溌剌としたところが魅力である。

 

伴奏のピアノもヴァイオリンの旋律も非常に美しい。特別なことをしていないようであるが、小品として強く引き込まれる。色彩感と夜の雰囲気と楽器を豊かに歌わせる展開力が優れているからだろう。何度も聴きたくなってしまう。

 

 

  • 詩篇 第24番(1916年)

 

  • 詩篇 第130番(1910年~17年)
    • 4.0点
ブルックナーのように重厚で力強く、熱い信心の心を圧倒的な質量の音の重さでもって表現している。展開力、世界観の 圧倒性には感服するしかない。女性か男性かという次元でなく、20代前半とは到底信じられない恐るべき深さをもった楽曲である。不安げな冒頭、後半の感情の盛り上がり、はるか深い闇の中からうごめくように這い出てくる魂たち。人類の悲しみの歴史と業をも背負ったかのようだ。この次元に若くして到達したのは病弱な身体に宿った精神ゆえとしか説明がつかない。

 

  • 古い仏陀の祈り
    • 3.3点
同じ動機を繰り返すため、途中からしつこく感じてしまった。とはいえ古い仏陀の祈りという題名の表象する音世界を非常に絶妙に表現できていて、驚くべき表現力と思う。神秘的だが、東洋的な柔らかさと世界をオーラのように包み込むような感じと、何千年も昔の世界から時空を超えて伝わってくる感じがよい。

 

  • ピエ・イエズ(1918年)
    • 3.8点
天才作曲家の24歳にして病床で口述筆記された絶筆という前提知識を持って聴くと、あまりにも天国的に美しくて、心臓が止まりそうになる。冒頭の歌が始まった瞬間に時が止まったかのようになり、この音楽の世界に入り込む。なんという美しい音楽だろうか。半音階的な伴奏の進行や絶妙な転調を繰り返して、祈りながら天の彼方へと飛び去って行く魂のような音楽を聴かせてくれる。
 
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ライヴ★L・ブーランジェ:詩篇第130番「深き淵より」ほか(ヘルガート指揮:ボーフム響ほか)


リリ・ブーランジェ
 1.詩篇第129番(00:00)
 2.詩篇第130番「深き淵より」(06:02)
 3.古い仏教の祈り(29:06)

フローリアン・ヘルガート指揮
ボーフム交響楽団
シェヴァ・テオヴァル(S)
ハスティ・モラヴィアン(MS)
ティモ・シャーベル(T)
ルール・コーアヴェルク(合唱)
2022年8月26日 グラードベック(ドイツ)、ツヴェッケル・マシーネンハレにて収録
 
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リリ・ブーランジェ『詩篇 第130番』
 
ガーディナー
Lili Boulanger - Du fond de l'abime (Psaume 130)


Monteverdi Choir, London Symphony Orchestra, John Eliot Gardiner
 
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マルケヴィッチ
Lili Boulanger (1893-1918): Psalm 130 "Du fond de l´abime"De Profundis (1914-17)


Oralia Dominguez,Contralto
Michel Senechal, Tenor
Chorale Elisabeth Brasseur
Orchestre des Concerts Lamoureux
Igor Markevitch
 
Boulanger "Psalm 130" Dominguez/Senechal/Markevitch


Oralia Dominguez, Contralto
Michel Senechal, Tenor
Chorale Elisabeth Brasseur
Orchestre des Concerts Lamoureux
Igor Markevitch, conductor
 
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Lili Boulanger Psalm 130


Bernadette Greevy, contralto
Ian Partridge, tenor
BBC Chorus
BBC Symphony Orchestra
Nadia Boulanger
30 October 1968
 
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Lili Boulanger - Psalm 130 "Du fond de l'abîme" (1917)


Chorus: City of Birmingham Symphony Chorus
Orchestra: BBC Philharmonic Orchestra
Soloist: Ann Murray, mezzo-soprano
Soloist: Neil MacKenzie, tenor
Yan Pascal Tortelier
 
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詩篇130篇(しへん130へん)は旧約聖書詩篇の中の一篇。ルターは「聖書の正しい師であり先生」であると言い表し、ウェスレーはアルダースゲイトでの回心の経験をする前の午後にこの詩が歌われるのを聞いたという。[1]

日本語訳

詩は8節からなる。以下に新共同訳共同訳を示す。

1節【都に上る歌。】深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます。
2節 主よ、この声を聞き取ってください。嘆き祈るわたしの声に耳を傾けてください。
3節 主よ、あなたが罪をすべて心に留められるなら/主よ、誰が耐ええましょう。
4節 しかし、赦しはあなたのもとにあり/人はあなたを畏れ敬うのです。
5節 わたしは主に望みをおき/わたしの魂は望みをおき/御言葉を待ち望みます。
6節 わたしの魂は主を待ち望みます/見張りが朝を待つにもまして/見張りが朝を待つにもまして。
7節 イスラエルよ、主を待ち望め。慈しみは主のもとに/豊かな贖いも主のもとに。
8節 主は、イスラエルを/すべての罪から贖ってくださる。

— 日本聖書協会新共同訳聖書

 

1節【都に上る歌。】主よ、深い淵の底からあなたに叫びます。
2節 わが主よ、私の声を聞いてください。
嘆き祈る声に耳を傾けてください。
3節 主よ、あなたが過ちに目を留めるなら
わが主よ、誰が耐えられましょう。
4節 しかし、赦しはあなたのもとにあります。
あなたが畏れられるために。
5節 私は主を望みます。
私の魂は望みます。
主の言葉を待ち望みます。
6節 私の魂はわが主を待ち望みます。
夜回りが朝を、夜回りが朝を待つにも増して。
7節 イスラエルよ、主を待ち望め。
主のもとに慈しみがあり
そのもとに豊かな贖いがある。
8節この方こそ、イスラエル
すべての過ちから贖ってくださる。

— 日本聖書協会共同訳聖書

解釈

深い淵の底מַעֲמַקִּים(maʿămaqqîm)とは深い海の底というイメージで使われる言葉である。エゼキエル書27章34節では水中深く沈んだと訳されている。

(お前は海を越えて商品を輸出し/多くの国々の民を飽き足らせ/豊かな富と産物で、地上の王たちを富ませた。今、お前は海で難破し、水中深く沈んだ。お前の積み荷とすべての乗組員は沈んだ。

海沿いの国々の住民は皆、お前のことで驚き/王たちは恐れおののき、顔はゆがんでいた。諸国の民の商人は/口笛を吹いて、お前を嘲る。お前は人々に恐怖を引き起こし/とこしえに消えうせる。エゼキエル書27章33-35節)

罪とは不足や間違いであれ道徳的な過ちであれ神の幸福で望ましい世界を創造する意志に背くことであり、それにより人は深い淵の底に沈まざるを得ない。神が人の罪を心に留められるのであれば誰一人耐えることはできないのである。

夜通しの見張りはイザヤ書のバビロンの陥落を告げる箇所などにも用例がある。

(わが主はわたしにこう言われた。「さあ、見張りを立てよ。見るところを報告させよ。彼は見るであろう。二頭立ての戦車を/ろばに乗る者、らくだに乗る者を。耳をそばだてて聞け、油断するな。」見張りは叫んだ。「わが主よ、見張り台に/わたしは一日中立ち尽くし/歩哨の部署に/わたしは夜通しついていた。見よ、あそこにやって来た/二頭立ての戦車を駆る者が。」その人は叫んで、言った。「倒れた、倒れた、バビロンが。神々の像はすべて砕かれ、地に落ちた。」打たれ、踏みにじられたわたしの民よ/わたしは、あなたたちに告げた/イスラエルの神、万軍の主から/わたしが聞いたことを。イザヤ書21章6-10節)

見張りが朝を心から待ち望む以上に主の慈しみ、贖い、御言葉を待ち望み、そして見張りが朝が必ず来ることを知っているように主の慈しみ、贖い、御言葉が下ることを知っているのである。

8節にあるように神が贖うפָּדָה(pāḏāh)ことにより深い淵の底から救い出され、神の主権を完成するのである。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%A9%E7%AF%87130%E7%AF%87

 

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イーゴリー・マルケヴィッチの遺した演奏をいくつか続けて聴いているうちに下記リンクのアルバムを見つけました。リリ・ブーランジェという20世紀の初め頃に活躍した女性作曲家の管弦楽と合唱のための音楽を収録したアルバムです。

 

Works of Lili Boulanger: Du Fond De L'abime - Psaume 24 & 129 - Vieille Prière Bouddhique - Pie Jesu (Transferred from the Original Everest Records Master Ta... - YouTube

https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_njICG-7ElNLkwhfOU6OGkgoaKDXM9VOBw



Released on: 2017-11-01
Orchestra: Lamoureux Concert Association Orchestra
Choir: Elisabeth Brasseur Choir
Conductor: Igor Markevitch
Contralto: Oralia Dominguez
Tenor: Raymond Amade
Composer: Lili Boulanger

 


「リリ・ブーランジェ(Marie-Juliette Olga Lili Boulanger, 1893年8月21日 - 1918年3月15日)は、フランスの作曲家。
音楽一家に生まれる。祖父フレデリックチェリストで、祖母ジュリエットは歌手。父エルネストはオペラ作曲家で、パリ音楽院でローマ大賞音楽部門に輝いた経歴を持つ。のち母校で声楽教師を務めた。母ライサは旧姓ムィシェツカヤといい、ロシアの公爵令嬢だった。結婚するまでエルネストとはパリ音楽院で師弟関係にあった。著名な音楽教師ナディア・ブーランジェはリリの姉である。
ブーランジェ夫妻の子供のうち健康で長寿を保ったのは第2子ナディアだけで、長女は生後まもなく急死、リリ自身も臓器に障害があって医師に短命を予告されていた。にもかかわらず2歳で神童ぶりを発揮し、家族によって英才教育をほどこされた。語学力と並んで楽器の演奏能力、とりわけ初見演奏に秀で、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ハープを得意とした。
(中略)
1913年にカンタータファウストとエレーヌ』(Faust et Hélène)でローマ大賞を受賞した。これは、4度の受験の末に断念した、姉ナディアの苦渋と屈辱をリリが代わって雪いだ面もあり、一方ナディアも妹の力作を手引きしたようである。
リリ・ブーランジェの作品は、色彩的な和声と楽器法、歌詞への巧みな曲付けで名高い。また、幼くして老齢の父親の死を体験し、自らも常に死の影に脅かされていたことから、喪失感や不安、悲哀の感情も彼女の作品を特徴づけている。彼女の作品には、フォーレドビュッシーへの理解が見受けられ、彼女の独創的な作品は、少なくともアルテュールオネゲルに影響を及ぼした。
免疫系が冒される気管支肺炎を2歳で発症したのに始まり、ついには腸結核(現在では「クローン病」と呼ばれる)を併発して24歳で若い命を散らすまで、リリの生活と活動は宿痾に苛まれ続けた。」(Wikipedia リリ・ブーランジェ より)

 

聴き始めてすぐに惹き込まれ、何だか圧倒される思いでこのアルバムを聴き終えてました。独特の繊細で感覚が研ぎ澄まされたような響き、瑞々しい歌。歌詞はまったく分からないのですが、その必要を感じないほど心に沁みてくる音楽でした。それでいてそこに押しつけがましい物は何も無く…。

マルケヴィッチの楽譜を徹底的に読み込みきびしく忠実に音にする、そうした作業がこの作曲家の遺した作品を実に生き生きと再現しています。

 

こちらのアルバムもなかなか素晴らしい演奏でした。ガーディーナー指揮ロンドン交響楽団他「ストラヴィンスキー:詩篇交響曲、ブーランジェ:詩篇」。下記再生リストより全曲お聴きになれます。

 

ストラヴィンスキー:詩篇交響曲、ブーランジェ:詩篇 - YouTube
ロンドン交響楽団, ジョン・エリオット・ガーディナー, モンテヴェルディ合唱団 • アルバム

https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kAScurE0ucgKdnn2unMMuTuQpUbkcwr1U



Organ Julian Podger
Monteverdi Choir
London Symphony Orchestra
John Eliot Gardiner

 

https://ameblo.jp/crystalwind2011/entry-12837857508.html

 
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リリ・ブーランジェ『ピエ・イエズ』
 
マルケヴィッチ

Pie Jesu


Released on: 2013-12-12
Orchestra: Orchestre des Concerts Lamoureux
Conductor: Igor Markevitch
Soloist: Jean-Jacques Grunenwald
Vocalist: Alain Fauqueur

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Lili Boulanger Pie Jesu


Bernadette Greevy, contoralto
BBC Symphony Orchestra
Nadia Boulanger
30 October 1968

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Lili Boulanger - Pie Jesu


Eric Lebrun (organ)
Isabelle Sabrié (soprano)
Francis Pierre (harp)
Raphaëlle Semezis (cello)
Magali Demesse (viola)
Aude Perin Dureau (violin)
Olivier Charlier (violin)
Conductor: Emile Naoumoff
Year of recording: 1993

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Lili Boulanger - Pie Jesu (boy soprano)


Alain Fauqueur, voice
Lamoureux Concert Association Orchestra

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Pie Jesu


Released on: 1993-12-01

Artist: Olivier Charlier
Artist: Magali Demesse
Artist: Aude Perin Dureau
Artist: Éric Lebrun
Artist: Émile Naoumoff
Artist: Francis Pierre
Artist: Doris Reinhardt
Artist: Isabelle Sabrie
Artist: Raphelle Semezis
 
 
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Pie Jesu   ピエ・イエス
曲: ブーランジェ,リリー (Lili Boulanger,1893-1918) フランス   歌詞言語: ラテン語

Pie Jesu, Domine,
dona eis requiem,
sempiternam requiem.
いつくしみ深き主、イエス
かれらに安息を与え給え
永遠の安息を与え給え

 

リリー・ブーランジェといえば、24歳の若さで亡くなったフランスの女性作曲家です。ですから作品の数も決して多いとは言えないのですが、声楽に関しては非常に重要な作品をいくつも書いています。
代表作は歌曲集「空のひろがり」で、フランス歌曲特有のたゆたうような揺れるような雰囲気が、実らなかった恋の甘酸っぱい記憶を大変魅力的に表現していてお勧めなのですが、ここでは彼女の遺作、もう筆を取る力もなくなって姉のナディア・ブーランジェ(音楽教育者として著名)に口述筆記をさせて作り上げたというこの曲を取り上げてみます。

ピエ・イエスといえば、フォーレのレクイエムの中の天国的に美しい、やすらぎに満ちた音楽や、ミュージカルCatsでおなじみのロイド-ウエッバーのレクイエムで、アメリカのヒットチャートまで賑わした耳にやさしい癒し系のピエ・イエスが思い出されるところですが、それに比べてこのブーランジェの、不安に満ちた、今にも壊れそうな表情はどうでしょう。そこかしこに聞こえる不協和音、おずおずとためらいがちに歌われる祈りの声、死の床にあった作曲者の心象風景なのか、しかしながら真剣に耳を傾けると背筋が凍りつくほど美しい音楽がきこえてきます。

原曲はメゾソプラノに弦楽4重奏、オルガン、ハープという編成ですが、管弦楽伴奏含めいろいろな形態で演奏されるようです。
原曲の編成で聴けるのはKarin Ott(Sop)のSignum盤やIsabelle Sabrie (Sop) のMarco Polo盤、弦楽4重奏と敬謙に響くオルガンのハーモニー、そこに絡んでくる清楚な歌声がとても美しいです。
管弦楽伴奏では、最近の売れっ子Roberto Alagna (Ten)がMichel Plassonの指揮で入れたEMI盤がありますが、この曲をイタリアオペラを歌うようなテノールが歌うと生々し過ぎてちょっと違和感があります。むしろボーイソプラノのAlain FauqueurがIgor Markevitchの伴奏で入れたEverest盤の教会で聴くような厳粛な、それでいて透明感に溢れる録音の方が曲の途方もない深さがよく分かります。
このスタイルでフォーレのものとぜひ聞き比べてみて下さい。

( 2003.10.28 藤井宏行 )

https://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S54.htm

 

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リリ・ブーランジェ - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A7

 

 

リリ・ブーランジェ(Marie-Juliette Olga Lili Boulanger, 1893年8月21日 - 1918年3月15日)は、フランス作曲家

生涯

音楽一家に生まれる。祖父フレデリックチェリストで、祖母ジュリエットは歌手。父エルネストはオペラ作曲家で、パリ音楽院ローマ大賞音楽部門に輝いた経歴を持つ。のち母校で声楽教師を務めた。母ライサは旧姓ムィシェツカヤといい、ロシア公爵令嬢だった。結婚するまでエルネストとはパリ音楽院で師弟関係にあった。著名な音楽教師ナディア・ブーランジェはリリの姉である。

ブーランジェ夫妻の子供のうち健康で長寿を保ったのは第2子ナディアだけで、長女は生後まもなく急死、リリ自身も臓器に障害があって医師に短命を予告されていた。にもかかわらず2歳で神童ぶりを発揮し、家族によって英才教育をほどこされた。語学力と並んで楽器の演奏能力、とりわけ初見演奏に秀で、ピアノヴァイオリンチェロハープを得意とした。

4歳の時から姉にくっつきパリ音楽院の講座にもぐり込み、音楽の知識を吸収。長じてリリ自身も正式の学生となり、オルガンルイ・ヴィエルヌに師事しながら、音楽理論と作曲を最初は姉ナディアに、次いでポール・ヴィダルジョルジュ・コサードフォーレに学ぶ。フォーレはブーランジェ姉妹の父で同僚のエルネストと親しく、リリのことを幼児期から可愛がり、歌曲の楽譜をブーランジェ家に持ち込んでは、リリに演奏させていたという。1899年にエルネストが他界してからは、フォーレはブーランジェ姉妹にとって、父親代わりの役目も果たしていたようだ。

1913年カンタータファウストとエレーヌ』(Faust et Hélène)でローマ大賞を受賞した。これは、4度の受験の末に断念した、姉ナディアの苦渋と屈辱をリリが代わって雪いだ面もあり、一方ナディアも妹の力作を手引きしたようである。

リリ・ブーランジェの作品は、色彩的な和声楽器法、歌詞への巧みな曲付けで名高い。また、幼くして老齢の父親の死を体験し、自らも常に死の影に脅かされていたことから、喪失感や不安、悲哀の感情も彼女の作品を特徴づけている。彼女の作品には、フォーレドビュッシーへの理解が見受けられ、彼女の独創的な作品は、少なくともアルテュール・オネゲルに影響を及ぼした。

免疫系が冒される気管支肺炎を2歳で発症したのに始まり、ついには腸結核(現在では「クローン病」と呼ばれる)を併発して24歳で若い命を散らすまで、リリの生活と活動は宿痾に苛まれ続けた。

旅行を愛し、ローマ大賞受賞後にイタリアでいくつかの作品を完成させたほどだったが、健康の衰えのために帰国を余儀なくされた(一説には、リリの看護と世話のために付添い人が同行することを、留学先の施設管理者が理解しなかったためといわれる)。帰国後は、病身をなげうって、第一次世界大戦に従軍するフランス人兵士を支援するため、姉ナディアとともに文字通りに砕身粉骨した。

リリは最晩年も未完成の作品を仕上げるのに尽力したため、音楽的にみのり豊かな時期を迎えることができた。しかし、一生のうちの大半を費やした、メーテルランク原作のオペラ『マレーヌ姫』は完成させることができなかった。リリはアルカションで絶筆の「ピエ・イェズ」を口伝筆記で完成させた後、昏倒して永眠した。亡骸はパリのモンマルトル墓地に埋葬されている。

名前

主要作品

  • カンタータファウストとエレーヌ』(Faust et Hélène) (1913年
  • 交響詩『哀しみの夜に』(D'un soir triste)(1917年 - 1918年
  • ヴァイオリン(またはフルート)とピアノのための『春の朝に』(D'un matin de printemps)(1917年 - 1918年
  • (ヴァイオリンと)ピアノのための『夜想曲 ヘ長調』『行列 ホ長調
  • ピアノ曲『暗い庭から』
  • 詩篇 第24番(1916年
  • 詩篇 第130番(1910年 - 1917年
  • 古い仏陀の祈り
  • ピエ・イエズ(1918年
  • フランシス・ジャムの「悲しみ」による)連作歌曲集『空の晴れ間』(1913年
    ※この曲名は原題 "Clairières dans le ciel" にリリ・ブーランジェがこめた意図をどう理解すべきかが難題で、訳名づくりにあたっては、さまざまな解釈が試みられている。ここでは書籍の訳に従うが、オンライン上では「空のひらけたところ」というやや天文学めいた訳が流布するようになっているほか、「雲の切れ目」とする音楽学者もいる。
  • その他の歌曲・合唱曲  

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